囲碁将棋(界)に対する意見

2007年3月 9日 (金)

女流棋士(将棋)、頑張れ!

女流棋士の独立が難航 将棋連盟、残留か移籍か迫る』(共同通信)

『日本将棋連盟に所属する女流棋士会の独立が難航していることが9日、明らかになった。女流棋士会は昨年、独立に向けて設立準備委員会の設置を賛成多数で決め、新法人設立の準備を進めてきた。しかし、連盟理事会は相当数の女流棋士が連盟に残留を希望していると判断。7日に女流棋士に対し「残留か新法人に移籍か」の二者択一を迫る文書を送付した。今月22日までの回答を要望している。』

そりゃあ女流棋士のみなさんは怖いでしょうねえ。将棋しかやったことない人が大多数でしょうし、連盟にいれば一応(今も苦しく更に先細りだけど)食える?から。

でも、連盟に残るなど論外です。ぜひ新しい女流棋士会に所属してほしいと思います。しばらくは苦しくても、絶対にその方が将来が圧倒的に明るいのは間違い有りません。

PS.将棋連盟関係の過去記事はこちら

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2007年1月31日 (水)

女流棋士会(将棋)が日本棋院(囲碁)で対局とは大妙手

囲碁総本山で将棋を! 女流棋士会が“新手”』(iza)

驚きました。日本棋院女流棋士会の対局場にするとは意表の手筋。
(将棋の女流棋士会独立については、のんべのこの過去記事も参照してください)

でも、大賛成です。冷たい将棋連盟など袖にしてしまえ。日本棋院も、囲碁ファン諸氏も、温かく迎えてくれるでしょう。応援します。

女流棋士会が将棋連盟から独立していままでより大いに繁栄なさることを期待しています。

『将棋の女流棋士会(藤森奈津子会長)が公式対局を、囲碁の総本山・日本棋院会館で行う計画を進めていることが24日、明らかになった。すでに日本棋院に意向を伝えており、棋院側は「最後には理事の判断を仰ぐことになるが、受け入れる方向で検討する」としている。
 女流棋士会は昨年12月1日、所属する日本将棋連盟(米長邦雄会長)から独立することを表明。その後、新法人設立準備委員会(委員長=中井広恵女流六段)が中心になって新棋戦の契約、ファンクラブの創設などを検討してきたが、その中で新たな対局場の確保も必要に迫られていた。』

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2006年11月28日 (火)

女流棋士会(将棋)、頑張れ!

将棋の女流棋士会が将棋連盟から独立の動きがあるとか。三行半を叩きつけよるのか、それとも連盟がお荷物に思ったのか、詳しい話は全く知りませんが、女流棋士会にとって大きなチャンス、頑張れ!

女流棋士ら、将棋連盟からの独立を検討』(読売新聞)

----記事本文----
日本将棋連盟に所属する女流プロ棋士で組織する「女流棋士会」(会長・藤森奈津子女流三段)が12月1日に臨時総会を開き、同連盟から独立する方向で検討していることが25日、分かった。

独立案が固まれば、同連盟理事会(米長邦雄会長)に正式に協議を申し入れる。
将棋の女流棋士は、1974年に女流名人位戦の創設とともに6人で発足。現在では現役プロだけで50人を数えるが、男性棋士のように社団法人である同連盟の正会員ではないため、同連盟の棋士総会での議決権も傍聴権もない。毎月の基本給がないうえ、厚生年金にも加入していない。

対局料だけでは年収100万円にも満たない女流棋士も多く、待遇面での改善を求める声が強かった。

女流棋士会は今春から制度改革を本格的に検討、独自に公式戦を運営するうえでの課題を検討してきた。
--記事本文ここまで--

名人戦問題でがたついた将棋連盟。あれ以来、私は将棋関係で金を払うことは一切止めました。将棋人口は2000万人と連盟は言っていますが、お金を払うファンはごく少ないのですが、その数少ない人たちの将棋離れは激しいものと思います。

連盟経営は厳しいのに将棋の弱い人の声は経営のプロの声だろうがなんだろうが聞かない人たちです。

男性と同じ土俵では今までプロになれた女性はいませんでした。門戸は開放されているけど、今までプロになれたのは野田香子ただ一人…あ、それはNHKドラマ「ふたりっ子」だった…。

女流棋士は別枠採用で、女流だけの棋戦に参加し、一般棋戦には女流棋士の代表がアマ代表と同じような位置づけで参加するだけです。給与体系も完全に別。

女流は弱いから、というわけで女流棋士には辛く当たってきた連盟。女流棋士を育てるのも連盟の役割の筈なのに、ちっとも育ちません。連盟理事会からの提案もあったらしいなので(asahi.com)連盟がお荷物に思っているのかも知れませんが、女流棋士は普及には欠かせない存在、この事態で連盟はさらに窮地に追いやられることに、連盟は気づいていても目を瞑るのでしょうね。ふっふっふ。

ただ、今の女流棋士のレベルでは、トップレベル以外は棋譜で金は取れないのも事実。今後、女流棋士全体のレベルを上げることは女流棋士会の重要な責務です。将棋連盟のくびきを外せば、いろいろな知恵も出てくると思います。期待しています。

なお、ついでに一言。囲碁棋士の世界は、基本的に男女の区別がありません。プロになる道も同じ。一応、女流特別枠はありますが、男性と同じ土俵でプロになった人も多い。女性のプロしか出られない棋戦も少しありますが、女性のプロが出られない棋戦はありません。男女同権なので、同じような問題は発生しないでしょう…。

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2006年8月27日 (日)

将棋名人戦問題についてはもう知らん

将棋は大好きですし、専門家の方々にも実に素晴らしい方は非常に多いと思っています。しかし、今回の名人戦問題で、将棋連盟という組織、および理事会にはほとほと愛想が尽きました。

馬鹿馬鹿しいのでこの問題にはもうコメントしません。毎日に残ろうが朝日に移ろうが名人戦にはもはや興味もありません。

そして将棋連盟はもうダメ、将棋連盟が解体的で直しを図るようなことがなければ、もう相手にするのはやめました。もちろん普及活動などを応援するのもやめます。勝手にしてください。

そして同じ思いを持っている将棋ファンは私だけでないことを将棋連盟理事諸氏はお忘れなく。

元、熱烈な将棋ファンより

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2006年8月 1日 (火)

将棋連盟棋士総会の結果について

棋士総会の結果、執行部に対する批判票が驚くほど集まりました。執行部による棋士への締め付けは非常に厳しかったという話ですが、非常に勇気ある羽生先生と森内先生の発言を重く受け止めた棋士が多かったということでしょうか。

しかし、否決は否決。将棋連盟はもうだめですね。

毎日新聞さんには、将棋連盟の棋戦からは一切手を引き、羽生三冠と森内名人、森内名人と渡辺龍王などの指し込み十番将棋を企画していただきたいと思います。予算手当は不要、名人戦と王将戦に出していた金が余ります。

もしくは、羽生先生、森内先生、渡辺先生以下、反対票を投じた棋士を集めて新日本将棋社を作るとか。森内・羽生・渡辺の抜けた将棋連盟なんてだれも相手にしなくなります。そこで「社盟対抗戦」も面白そう、森内先生一人で連盟棋士をなで切りにすることでしょうね。

PS.名人戦問題の私の過去記事は
4/16、5/11、5/13、6/29、7/14、7/30に記載しており、すべてhttp://nonbe.way-nifty.com/blog/cat5917040/index.htmlでご覧下さい。

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2006年7月30日 (日)

将棋連盟、棋士総会では理事の退陣を要求せよ

アジビラみたいですが…

8月1日の棋士総会での結果がどうなるか、毎日になるか朝日になるか、そんなことは私の知った話ではありません。その結果、王将戦か朝日オープンがなくなることでしょう。

いずれにせよ、世間をこれだけ騒がせたおかげで、世間の将棋界を見る目は冷たくなりました。将棋連盟は、将棋を極めて将棋を広めるための団体と思っていた人にも、ただの金儲けのためだけの既得権団体、と印象づけてしまいました。一度失った信頼を回復するためにはどれくらいかかることか。

こういう場合、世間一般の常識では、まずどんなに部下が独断専行で行ったことでも、社長が退陣してお詫びをします。まして、今回お騒がせの張本人は理事達。最低限、理事全員が退陣して一棋士に戻るべきです。そして新しい理事には棋士以外の外部の人材を入れて再生を期すことです。

しかし、現理事に自ら退陣する勇気があるようには見えません。だとしたら、棋士総会に理事退陣の緊急動議をかけるしかないでしょう。まあ、そんな勇気ある棋士もいないでしょうが。

将棋連盟に自ら再生する力があるかどうか。棋士総会である程度見えてくることでしょう。


PS.NHK杯囲碁、武宮9段が対局中いきなり手を叩いたのはなんだったんでしょうか?

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2006年7月14日 (金)

将棋連盟の「北朝鮮」化

今回の将棋名人戦騒動って、北朝鮮のテポドン発射に馬鹿馬鹿しいほどよく似ています。北・日・中と役者が揃っています。

名人戦問題(以下、名):米長師独裁の将棋棋連盟がいきなり契約破棄の通知
北朝鮮ミサイル発射問題(以下、北):金正日将軍独裁の北朝鮮がいきなりテポドン発射

名:朝日新聞は裏工作をしているが静観しているふり
北:中共は裏工作をしているが静観しているふり

ただし、毎日新聞には安部官房長官はおらずに媚朝日?勢力ばかりのようですね。がっかりです。
名:毎日新聞は賛助金の支給を提案
北:経済制裁を実施、国連にも制裁決議案を提出

ついでながら、もし毎日が各新聞社に呼びかけて、共同で不誠実な将棋連盟の態度をなじろうとすれば
名:朝日新聞が拒否権発動(爆)
北:中共が拒否権発動

これでは、米正日、将棋民主主義連盟とよびたくなります。私は以前「連盟の解体と新組織での出直し」と主張しましたが、正しいことが証明されたようなものです。

毎日新聞さんは、安部官房長官を見習って、今からでも強硬姿勢に出るべき、それが将棋界に対する愛情というものです。

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2006年6月29日 (木)

名人戦問題で毎日新聞社には毅然たる態度を望む

読売新聞より。
『将棋の名人戦問題で、毎日新聞社が、新たな条件として現行の契約金(年3億3400万円)を維持したまま、3000万円の普及協力金を7年間支払う案を日本将棋連盟理事会に提示する方向で調整していることが28日、分かった。』

それに対する私の主張
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名人戦問題を一方的に引き起こしたのは連盟である。信義を無視して一方的に契約破棄を通告し、将棋連盟どころか将棋に対する不信感を世間に抱かせた。テポドンを発射するぞ、と騒いで各国から金を取ろうという北朝鮮とうり二つ。
それに対し、毎日新聞が連盟に有利な契約条件を提案するとは、わがままを言ってゴネた方が絶対得、と社会の公器たる新聞社が認めたことになる。
読売新聞に報道された毎日新聞社の態度は、脅しに屈することであり、反社会的な行動であるとさえ言える。信義を無視する連盟に対しては、毅然としてゴネ得は許さないという筋を通した態度を取ってこそ「社会の公器」であると考える。
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名人戦問題のおさらい
1.朝日新聞が将棋連盟に「もっと金払うからうちに名人戦をくれよ~」と誘う
2.将棋連盟は、永年名人戦を支えた毎日新聞に対して、「もう契約しないよ」と一方的に通告する(真っ最中の名人戦7番勝負に思い切り水を差す)
3.毎日新聞が激怒する
4.連盟は慌てて「共催案」やら「毎日優先」やら日々ころころ言うことが変わる
5.連盟は通告書を撤回し、毎日も名人戦終了まで議論を凍結することで合意
などと言うものでした。

この話、「礼に始まり礼に終わる」と言われる日本の将棋に、泥を塗りまくったのは将棋連盟です。わがまま、ゴネ得狙い、無駄遣いして金がなくなっても節約しようと考えずまわりからぶんどろう、など、まるで将軍サマ…。

しかし、それに対して毎日新聞さんが、金は朝日さん以上に払いますよ、やっぱりうちで名人戦やらせてくださいよ、金は朝日さんより出しますよ、などというのは、韓国の恥ノムヒョン君となんら変わりません。世間に対して、結局わがままを言ったほうがいいんだな、金がすべてなんだな、と思わせてしまうことになります。わがままは罰してやらないと。

毎日新聞さんは、社会のためにも毅然たる態度を取ってください。それが将棋連盟と朝日新聞の信義のなさを世間に知らしめることになります。

なに、将棋の棋譜が毎日新聞に載らなくても読者が減ることはありませんよ。棋譜の価値が不当に高い契約金に見合わない、という事実を他社にも知らしめてください。それが連盟の不信義に対する一番の罰です。

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2006年5月13日 (土)

名人戦問題からわかった将棋連盟のあるべき姿

今回、考えが十分まとまっていないため文章におかしな点があるかも知れません、ご勘弁を。また、前回の文章は怒りにまかせて書いており不適切な表現が多かったので、その点もここでお詫びします。
5/15朝追記:明らかに文脈が通じない部分が多かったため、表現を修正しました。趣旨は変えていません。

<要約>
連盟に目先のお金がないから名人戦問題が起きました。残念なことです。目先のことも大切ですが、将棋界の先細りを防ぐためには、棋士に厳しい改革を外部の力を借りて行うこと、つまり連盟の解体と新組織での出直ししかないと考えます。

それはなぜか。「将棋」は日本が誇るべき文化です。しかし、子供が勝手に将棋を覚えたのは過去のこと、今や普及活動なかりせば衰退し「伝統芸能化」が確実です。また、ファンの「将棋界」離れをくい止め、いずれ起こる新聞社の将棋欄切り捨てを防ぐためには、ファンに魅力ある将棋界に変身しないといけないわけです。連盟は「棋士の棋士による棋士のための団体」から「将棋文化の担い手」に変わるべきなのです。しかし今回の騒ぎで、今のままではとても無理である、と感じざる得ませんでした。

<詳細>
当たり前の話ですが、将棋ファンが昔のように増えれば新聞社も将棋欄を重視しますし、普及で収入を増やすこともできます。まず、多くの子供を将来の将棋ファンに育てること。多分将棋界誰もがそう思っているはずです。他に、時間のある女性や高齢者のファンを増やすことも検討に値します。

子供にとってもテレビゲームなんぞするより目の前の相手と将棋をする方がずっと脳の活性化に役立つはずです。負けて悔しがること、「今に見ておれ、臥薪嘗胆で次は勝つぞ」と思うことは、感情のコントロールのトレーニングですから、「キレる」ことも減ります。
もちろん高齢者にはぼけ防止にちょうどいい。
従って、連盟が将棋ファンを増やすことは、プロ棋士のためであるとともに、ひいては日本のためにもなります。名人戦問題で騒ぎを起こして大幅なイメージダウンになったのはほんと残念。将棋連盟は大事な日本文化を預かることの大きな責任を全く分かっていない、という言葉に反論できないでしょう。

目先の話では、現状では新聞社のお金がこれ以上期待するのは難しいため、普及で食っていく道が必要です。企業でお稽古を、という時代ではありませんから、子供、女性、高齢者に普及するしかありません。ぼけ防止としての将棋も悪くないし、女性に普及するのも大切なことです。

子供への普及には2つのハードルがあります。子供に将棋の面白さを伝えることと、親たちの意識を「お金を払って将棋のお稽古に行かせよう」とピアノなみに引き上げることです。難しいけど突破しないと進みません。
こういうとき、将棋連盟は自分だけで考えるのではなく、外部の知恵と力も借りるべき、特に新聞社などのマスコミには真剣に訴えていくべきです。目先の金の問題でマスコミの餌食になったのは、その意味でも致命傷です。

なお、仮にやっとのことで「将棋」を普及させたとしても、棋士の制度がファンに納得のいくものでない限り、ファンが「将棋界」に対してそっぽをむくのは前回書いたとおりです。

古い話ですが、「羽生ブーム」「ふたりっ子ブーム」のときが子供への普及の千載一遇のチャンスでした。連盟がそれを「将棋ブーム」と勘違いして本当の将棋ブームにする努力を十分しなかったこと、実に悔いが残ります。

「ふたりっ子」で言えば、棋士の番組出演などで努力の跡を感じましたが、所詮将棋界の内輪受け。そんなことより指す手は他にあったはず。例えばの話ですが、主人公は真剣師の道場で教わり、後にプロの内弟子になりましたが、ではライバルにはこども教室で育つようなストーリーにして貰う、そしてそれに呼応して教室を増やす、とか…。

日本棋院は「ヒカルの碁」ブームのとき、少しはマシでしたが、やはり不十分でした。韓国では、「イチャンホブーム」を「囲碁ブーム」にすることが出来た結果、プロは引く手あまた、アマでも囲碁教室で食べている人が多く輩出し、その結果優秀な若手も続出、今や国際戦では日本は敵ではありません。悔しい話です。

将棋文化の先細りとファンの将棋界離れ、つまり悪い意味の「伝統芸能化」に対して、連盟が今から何が出来るのか。正直なところ、今の連盟には期待できません。しかし、この事態はなんとしても防ぐべきこと。だから、将棋連盟は解体して出直しが必要、と記述した次第です。

なぜ期待できないのか。将棋連盟は理事が棋士で、棋士総会が最高決定機関、受益者も棋士という「棋士の棋士による棋士のための団体」だからです。

以前、子供が勝手に将棋を覚えた時代には、連盟は文化を担う重責を感じる必要が無く、対局料を出してくれる新聞社だけを相手にすれば良かったので、棋士だけの経営で問題有りませんでした。棋士は1対1なら非常に強いです。

しかし、将棋文化の衰退の流れを反転させるという大きな責務を持った今は広い目が必要になっており、棋士だけでは限界があります。

では、将棋の好きな経営の専門家を外部から借りてくればいいか。日本棋院の現状から類推すると、おそらくそれでもだめでしょう。経営のことは分かっても、専門家としての苦労を知らない限り、将棋に対する情熱も知識も骨に染みてはいないからです。

将棋連盟の経営者にとって喫緊の仕事は、将棋の普及のため間違いない道をつけること、ファンと新聞社に納得のいく棋士の制度や賞金体系を編み出すこと、と思います。そのためには、独善に陥らないように、様々な他の畑の方の知恵と力を借りる謙虚な心と広い目、そして将棋界にとって何が一番なのか見極める力が必要です。
将棋のために知恵や力を貸してくれる人は多くいるはずです。教える専門家である先生方、世間に知らしめる力を持ったマスコミの方、経営の専門家の方、などなど…。

そういう前提で、連盟はどんな方に経営を任せるべきなのか。例えばですが、志半ばで将棋を辞めざる得なかった元奨励会で、その後苦労して経営者になったような方などはどうでしょうか。実際にそういう方がいるかどうかは、残念ながら私は知りませんが…

間違いない普及の道や制度が出来れば、そこからは盤上の専門家である棋士の出番です。そして、その結果を検証し、さらに改善する経営者、実践する棋士…と良い回転を始めればそれでこそ文化が守れるわけです。こう書くのは簡単ですが、実施するのは難しいし痛みが伴います。連盟が痛みのある改革を人に任せる度量があれば文句ありませんが、現在の連盟には不可能だろうと思っているわけです。
もちろん、連盟が予想をいい意味で裏切り、私の心配など一蹴して頂ければ、それに勝る喜びはありません。

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2006年5月11日 (木)

将棋界「百年の計」とは

今回の将棋名人戦問題、将棋連盟の対応が実に不誠実です。いきなり失礼千万な「契約解消」の通知書を投げつけておき、後でその真意は「自動更新せずに交渉させて下さい」というだったなどと言っておきながら、今度はいけしゃあしゃあと朝日と共催でどうでしょ、新聞社同士競争して下さい、ですからねえ。
今回の名人戦移管は将棋界百年の計、などとよくぞ言ったものだと呆れます。初手を思い切り間違った以上、通知書は白紙撤回してから再度交渉するのが筋でしょう。

それ以前の大問題は、まず将棋連盟の赤字体質で、その根っこは将棋ファン離れです。目先の金では問題解決になりません。解決策は、連盟が「プロもどき」の相互扶助団体から「真の勝負師」の集まりに脱却すること、それに尽きます。

今回の連盟の理事…米長師・中原師…からは、彼等にとっては連盟に落ちる金と、棋士仲間の支持を受けて自分の権力を磐石にすることがすべて!としか見えません。
一番重要なのは将棋ファンの信頼です。ファン無視では将棋人気が落ちるのは必至、そうなれば新聞社がそっぽを向くこともわからないのか、後は野となれ山となれで目を瞑っているのか…。

労組幹部が経営陣に給料上げろと交渉するのに似ていますが、生活のために身を粉にして働いている一般人で構成される労組と、好きな将棋で食える「プロの勝負師」の集まりたる連盟が一緒では困ります。
今の連盟は、勝てなくてもいい、ファンに頭を下げて普及に努力するのも嫌、対局以外の空いた時間(週に最低6日!)は遊びたい、という「プロもどき」の相互扶助団体に過ぎません。そりゃあ将棋ファンからそっぽを向かれて赤字になるのは当然でしょう。

このままでは将棋界のお先真っ暗、それでも将棋ファンは全く困りません。一番困るのは棋界の将来を担う実力ある若手棋士達です。つまり、米長師・中原師の今の行動の意味は、若手の将来を食い物にすることで「プロもどき」連中を取り巻きにし自分の権力を拡大、ということになります。

ファンが見て面白いのは、勝負師達の真剣勝負。一番面白いのはクビのかかった陥落決定戦です。勝負が面白ければファンは増えます。
従って、将棋界百年の計とは、「厳しい勝負の世界」とファンが納得する制度を創ること、それに尽きるでしょう。
既得権に安住するだけの多数派「プロもどき棋士」たちの反対を押し切って、将棋界を真の勝負の世界にすることにこそ、連盟の活路と将棋界の将来があるはずです。一般人を競争一辺倒の世界に巻き込むのは間違いですが、競争一辺倒でない「プロの勝負師」は無意味です。

具体的には、棋士の対局料や給与を無しにして賞金を増額すること。プロ棋士の入り口を広げ、陥落を厳しくすること。勝者に金が入り敗者は消えていく制度です。
もちろん、将棋一筋の人に「ハイさよなら」では生活できませんし、将棋に情熱があるのならそれを活かさない手はありません。トーナメント棋士をやめ普及に打ち込むことで食える環境を創ることも当然必要、まさにそれこそが連盟の仕事です。

勝てないし普及活動も嫌、などという「プロもどき」を切り捨てれば将棋人気は回復し連盟の赤字体質も改善します。
しかし、既得権者の「プロもどき」達は連盟の多数派です。その痛みを伴う改革は今の連盟では不可能、棋士総会で否決されるのは必至です。

従って、将棋界の将来のためには、連盟は潰す一手です。新聞社が将棋欄で読者を満足させようと思うなら、一度将棋界から手を引いて連盟を潰し、新しい組織で将棋界を活性化するしかありません。名人戦問題で毎日新聞社が手を引くことは、これは将棋界改革の第一歩になりますので大歓迎です。
米長師・中原師がここまで考えてあえて悪役を演じているとすれば、それは伊達騒動で汚名を受け斬られることで伊達家を守った原田甲斐以上の人物です。(山本周五郎「樅の木は残った」参照)

書いて初めて気づきました。今回の騒動は、米長師・中原師が将棋界の将来を見据えた渾身の捨て身の策、まさに将棋界「百年の計」だったのですね。なるほど、実に深い読み、敬服の一語です。

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