政府は「リスク」急増に対処せよ
『放射性物質:「荒茶」検査に静岡県が反発 要望書を提出』(毎日)
http://mainichi.jp/select/science/news/20110518k0000m040096000c.html
周期表を見ればセシウムはカリウムと化学的性質が近いのは明らか。植物の肥料は「窒素・リン酸・カリ」、植物が吸い上げるのは当然。吸い上げたセシウムのうち、葉の栄養分になるのが圧倒的に多いので、茶葉には溜まるでしょう。そばなどの実にもカリウムは結構多いから、困ったもんです。
聞いた話ですが、パリの某そば屋で日本から蕎麦を輸入しようとしたところ、税関でストップされたとのこと。走り回って、311以前の袋詰めを照明してもらい、それならOK、となったらしいですが…
そりゃあ、水道水にせよ農産物にせよ、国際基準に比べ何十倍もゆるゆるになった現在の日本基準では、そりゃあ外国人が信用できないのは当然です。これは「風評被害」ではなく、「日本基準」=「基準外」→「輸入禁止」というだけのこと、ごく当然の話です。
日本の信頼を揺るがすところまで基準を緩めないと、現実的に生きていけないからそうしているわけでしょう。
今や、静岡以東の住人は1年あたり10~200mシーベルトの「低線量率放射線」に曝されているのは間違いなさそうです。
「低線量率放射線」については、非常に危険から健康に良いまで、議論百出しています。要するに、いままで日本人はそんな経験をしたことないわけですから、わかるわけないのです。
それぞれそれなりに科学的根拠があるようですから、みなそれなりに正しいものと思われます。なぜぶれるのか。これは「低線量率放射線」が健康「リスク」、つまり「不確実の度合い」を急増させている、と考えるべきです。
政府は健康「リスク」を国民に甘受させているわけです。「新自由主義」とは経済だけの世界でしたが、それを健康にまで広げた世界です。医療費を払えない人は病気を治せない、どころではありません。
リスクが大きくなった場合は経験上「弱者狙い撃ち」です。北斗の拳ほどではないにせよ。
ガンになる人が今と比べ増えるのか減るのか…わかりませんが、「今まで通り」ではなさそうだし、仮に全体として減ったとしても、元々「ガンになりやすいという体質」を持っている人だけガンになる可能性を高める、などということはありそうです。
となれば、政府のすべきことは決まっています。たとえば『ガンになるリスクが上がった分の取り返し』のために、ガンを安全に治せる可能性を高めなければいけない、ということです。つまり、ガン治療への研究費や設備費(たとえば「重粒子線」照射器)などを今までの何十倍も充実させるべきです。
「ただちに」健康への影響はなくても、長期的にリスクが高まるのは確実。間違いなく、「ただちに」行うべきことのひとつです。
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コメント
それよりも、まず畑を徹底的に検査して、放射能のホットスポットを発見し、その部分は土壌の入れ替えを行なう、すぐにできないなら耕作禁止にする、ことです。
局所的に放射能が高いホットスポットをどうにかするのかまず必要です。周辺の百倍のところもあるそうですから。
投稿: haru | 2011年5月24日 (火) 10時40分
haruさん
それは仰せの通り、まさにいますぐ「ただちに」行うべきことですね。表土掘り起こしも「ただちに」行うべきこと。ここに書いたのはひとつの例、これを最速で行うべきとは思っていません。
投稿: | 2011年5月24日 (火) 21時45分