知事が育児休暇など無責任の極致
『イクメン知事、橋下知事に「大きなお世話」』(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101021-OYT1T00917.htm
別に橋下知事のコメントに興味があって記事を紹介するわけではない。ただ、この広島のイクメン知事とやらの、無責任の極み、平和呆けの極致に呆れかえっているだけ。
県知事は、二十四時間三百六十五日、県民の生命に全責任を持っています。自衛隊法によれば、国民保護、治安維持のため自衛隊の出動を要請できます。法律上代理権限はありません(災害出動は別)。
常に公邸に住み、休んでいるときも常に待機しているべき。やむを得ず公務出張するときも、いつでも戻れるようにヘリコプターを待機させるべきものです。
選挙で選ばれた首長や首相は、病気などで本人が倒れて公務不能にならない限り、24時間365日代理者を立ててはならない。やむを得ず代理者を立てた場合は、速やかに辞任し新たな代表を選ぶべきです。
それが、育児休暇なんてねえ。問題外、論外です。
なお、男性の育児休暇については賛成でも反対でもありません。人事面でマイナスを食らったり、偏見の目で見られる覚悟があれば、それは自由でしょう。ジェンダーフリー論に与するものではないけど、最終責任を持つ者でなければ、企業なり役所なりが認めれば私の知ったことではありません。
ただし、法律上男性の育児休暇を義務化せよ、などという権利至上主義には絶対反対です。
参考:自衛隊法抜粋
(国民保護等派遣)第七十七条の四
防衛大臣は、都道府県知事から武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第十五条第一項 の規定による要請を受けた場合において事態やむを得ないと認めるとき、又は武力攻撃事態等対策本部長から同条第二項 の規定による求めがあつたときは、内閣総理大臣の承認を得て、当該要請又は求めに係る国民の保護のための措置を実施するため、部隊等を派遣することができる。
2 防衛大臣は、都道府県知事から武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第百八十三条 において準用する同法第十五条第一項 の規定による要請を受けた場合において事態やむを得ないと認めるとき、又は緊急対処事態対策本部長から同法第百八十三条 において準用する同法第十五条第二項 の規定による求めがあつたときは、内閣総理大臣の承認を得て、当該要請又は求めに係る緊急対処保護措置を実施するため、部隊等を派遣することができる。
(要請による治安出動)
第八十一条 都道府県知事は、治安維持上重大な事態につきやむを得ない必要があると認める場合には、当該都道府県の都道府県公安委員会と協議の上、内閣総理大臣に対し、部隊等の出動を要請することができる。
(災害派遣)
第八十三条 都道府県知事その他政令で定める者は、天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊等の派遣を防衛大臣又はその指定する者に要請することができる。
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コメント
ご意見に全く同感です。
昔は子供がもっと多くても男子が育児のために休むなど考えられないことでした。また、なくても十分に育児がなされていました。女性の家事が楽になってしまい、遊ぶこと、或いは金のことばかり考えていることが、このようなことを生む原因ではないかと思っています。それが子殺し、親殺しが氾濫する原因でもあるような気がします。
投稿: | 2010年10月22日 (金) 09時53分
「育児休暇なんてねえ。問題外、論外です。」
それがもっとも知事がなんとかしたかったものなのでは?
労働基準法 第39条
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第二章
投稿: 通りすがり | 2010年10月23日 (土) 20時41分
通りすがりさん
選挙で選ばれたことで権限も責任も桁違いに大きい「首長」
弱い立場の「労働者」を守るために作られた労働基準法
同列に議論すべきものですか。
投稿: 練馬のんべ | 2010年10月23日 (土) 20時49分
労働基準法はおっしゃるとおり
弱い立場の労働者を守るため「人たるに値する生活を営むため」(第一条)に作られた法律です。
つまり「人たるに値する生活を営むため」には、
育児休暇は当然認められるべきものということを
言いたかっただけです。
権限が大きい人は、親の死に目にもあってはいけないのですか?
そんな非情なことを言う人はいないでしょう。
でも、育児休暇は、問題外、論外。
この2つの間のギャップが
各人によって大きいことが課題だと思います。
結果、核家族化等もあり、子育てしにくい社会になってしまい、
少子高齢化や幼児虐待が問題となっています。
県知事が育児休暇をとって、この問題を社会にアピール(啓発)されたのだと思います。
啓発活動は、話題にならないと意味がありませんから。
本人のコメントにもあるように、それを変えるための1つの仕事(施策)としてとらえられてはどうでしょうか。
1日1時間程度らしいので、
フレックスタイムみたいなものだと思いますよ。
そのパフォーマンス的な行動が嫌いだ!とおっしゃるのでしたら、
私もその点には少し同調します。
(パフォーマンス好きな首長が増え過ぎで軽いですね。)
ちなみに私もジェンダーフリー論など全く興味ありませんし、
必要もなく権利ばかり主張し休暇を取りまくる社会になるのは大反対です。
投稿: 通りすがり | 2010年10月23日 (土) 22時07分
通りすがりさま
>「人たるに値する生活を営むため」には、育児休暇は当然認められるべき
一般人なら当然のことです。普通は女性が取りますけど、共働きで女性のほうが稼ぎがいいなら、男性が取っても別に構わないと思いますよ。
>権限が大きい人は、親の死に目にもあってはいけないのですか?
選挙でただ一人選ばれた「首長(くびちょう)」は、代理者を置いたら、もはや選挙の意味がありません。首長と首相は、住民と国民の安全に対して最終責任を持っているのです。ちょっとやそっとでない重い立場、「親の死に目に会えない覚悟」で立候補するのが当然。
私はこの記事では一貫して「一般的な育児休暇の是非、世の雰囲気の議論」ではなく、「民意で選ばれた最終責任者たる首長が育児休暇=私用を、公務に優先したことに対する怒りの表明」をしております。
>そんな非情なことを言う人はいないでしょう。
そりゃあ非常事、まわりは当然認めるでしょうけどね。
>でも、育児休暇は、問題外、論外。
「首長」に関する限り、その通りです。一般人に対する話ではありません。
>県知事が育児休暇をとって、この問題を社会にアピール
>変えるための1つの仕事
好意的にそう見るのも「あり」とは思います。もちろん、それで県民に対する知事の責任が免除がされるわけではありません。
橋下知事の批判の通り、普通の人たちは簡単には休暇を取れません。となれば、こんなパフォーマンス、普通の人たちは、県知事は気楽でいいなあ、と思うだけで逆効果でしょ。民間が苦しんでいるときに親方日の丸の公務員が率先して楽する(ような態度を取る)と、必ず嫉妬されます。
こんな軽薄なことで世の中の雰囲気は変わりません。知事の意向として雰囲気を変えたいと思うなら、知事自身が頑張り、部下たる県職員に雰囲気を変えるための仕事をさせるべき。例えばの話ですが、労働基準監督署の力を強くして、各企業を徹底的にまわらせて、会社の偉いさんの考えを飴と鞭で直す、というようなことです。
>私もジェンダーフリー論など全く興味ありませんし、必要もなく権利ばかり主張し休暇を取りまくる社会になるのは大反対です。
同歩(笑)
投稿: 練馬のんべ | 2010年10月23日 (土) 23時43分
私も、この広島県知事の行動には、何か違和感を感じます。
男性が育児休暇を取れる環境を作りたかったら、まずご自分の部下、広島県庁職員の男性に育児休暇を取らせるのがスジではないですか。
投稿: St.Judyのほうき星 | 2010年10月24日 (日) 23時58分
St.Judyのほうき星さま
「一般男性の育児休暇の是非」はここでは議論しないことにします。
もし知事が「男性の育児休暇」を推進したい、というなら、仰せのようにまず部下。それと同時に、民間にも取らせる施策を打たないと。県庁職員だけだと「役人はヒマでいいなあ」と冷たい目で見られます。
投稿: 練馬のんべ | 2010年10月25日 (月) 16時11分
読売新聞より
『広島県知事が育児休暇を取得すると発言したことについて、北海道の高橋はるみ知事は28日の定例記者会見で、「疑問なしとは言えない。知事には24時間、道民の生命、安全を守る責務があり、そもそも育休、休暇という概念はない」と語り、疑問を呈した。…
育休自体については「大変重要な道政課題だ。育児休業を取りやすい社会、経済環境にするのが不可欠だ」と強調した。』
高橋はるみ知事、うちのブログ読んだんかいな(笑)
投稿: 練馬のんべ | 2010年10月28日 (木) 21時03分
>>男性の育児休暇取得の是非
人間らしい生活を営む為に↑が必要だと云うご意見、成程と拝聴いたしますが、其れでは是までの日本の歴史で、男性が仕事を永らく休んででも、子育てに専念できた時代がありましたっけ、と考えて看ましたが、そういう情況は、偶発的なら在ったかもしれない程度ではなかろうか。
それでも、連綿とした歴史を紡いで今の日本が有るわけですから、「子育てに特別に時間を取る」事が、子供の教育に役に立つなんて説得力を感じないのですが。
それより、お父さんやお母さんの働いている現場の見学を企画するとか、「お手伝い」参加させるとか、の方が、ずっと生産的ではなかろうか。
育児の事を云って居るのなら、昔の母親は現代の母親と比べれば、それこそ殺人的に忙しかった筈でしょう、寧ろ、現在の母親は時間が余り過ぎて、子供に過剰に構い過ぎているのではなかろうか。
昔話で好く遣われたモノに、籠に赤ん坊を入れて縁側に置いていたら、大きな鳥が籠毎攫って行った、というのがありますが、赤ん坊を籠毎攫える鳥はそうそう居るものではありませんが、昔は赤ん坊をほおって置くという情況はザラに在ったのではないでしょうか。
「人間らしい生活」って、ドンなモノなのでしょうね、私は貧しくとも一家団欒で夕餉を囲み、皆で一日の無事を御先祖様と神様に感謝をして、一緒に「いただきます」と言えるような、そして、子供たちそれぞれが一日有った事を報告する、亦は相談する、父母はそれを聴いて、褒めたり、叱ったり、宥めたりする、そうした光景が繰り返されるのが、家族と云うモノだと思って居ます。
そう考えれば、人間らしい生活に現在一番足りないのは「余裕」である事に成りますが、特に金銭的な余裕を得る為に、時間的余裕を自らの意思で犠牲にしているから、余裕のある生活が出来ない、モノや金銭に「足るを知れば」時間的余裕は産み出せる筈です。
子育ての時間は他から与えられるものではなく、自分達で創り出すモノではないでしょうか、女性が仕事をする事で、世の為に成る事を否定するモノではありません、中には、男性の数倍役に立つ人も居る事でしょう、しかし、子を産み育てるのは、社会の最も大切な事業であり、其れを担うのは母親に優るモノは無いと思います、母親がしっかりして、子供を受け止めている家庭に育った子供は、喩え片親でも家庭を大事にするし、他人にも優しくできるモノだと信じて居ります。
確かに、がんばれお母さん、とはよく聞く言葉ですが、頑張れお父さんとは聴かれない様です、ダカラと言って育児休暇が必要だとも思わないし、其れが出来るのは、公務員位なものではないのでしょうか。
それって、何かおかしくありませんか?
投稿: ナポレオン・ソロ | 2010年10月28日 (木) 22時36分
ナポレオン・ソロさま
私は「男性が育児休暇取りたければ、それは合法だからどうぞ」という立ち位置、ものわかりがいいのんべ(笑)
特に、奥さんが「大黒柱」の場合は、ダンナさんが育児休暇を取って奥さんがは働いても、それはそれで構わないと思いますよ。
ただし「合法でも非常識なことをする以上、まわりから白い目で見られる覚悟はあるんだろうな」という前提つき。まわりの迷惑を考えれば簡単にはできないことを、いとも簡単に「権利」などと主張されると嫌だなあ…
また、夫婦両方が育児休暇、なんてのは反則でしょう。
>お父さんやお母さんの働いている現場の見学を企画するとか、
>「お手伝い」参加させるとか、の方が、ずっと生産的では
賛成!
>「人間らしい生活」って、ドンなモノなのでしょうね、
>私は貧しくとも一家団欒で夕餉を囲み…
>そうした光景が繰り返されるのが、家族
大いに賛成。ただし、サラリーマンのみなさん、忙しすぎてなかなか子供達と食事を一緒にできないのも事実。「男性の育児休暇」は極端な権利の主張と思いますが、「両親が子供と一緒に夕食をする権利」は正当なものだろうなあ、と思います。
>「足るを知れば」時間的余裕は産み出せる筈です。
はい。
>出来るのは、公務員位…何かおかしくありませんか?
そうですよねえ。
投稿: 練馬のんべ | 2010年10月28日 (木) 23時17分
うちの会社の場合は、有給休暇の消化はつつがなく行われていますが、それと言うのも、年度始めに一括して予約すると言う形を取っているからで、それすらも、実際には「予約」した日と異なる日に休暇があてがわれる事が往々にしてあります。
そんな有様ですから、明日必要だ。来週欲しいと言っても容易に取れるものではありません。
これでは育児休暇が必要だ、といった所で、本人の需要のおもむくままに取れる事は望みなしでしょう。
それに比べて知事の場合は、規制を掛ける上司がいないものだから、ある意味いい気なものです。
もっともらしい理由をつければ、自身の需要のおもむくままに取れるのではないのですかな。
しかし、知事のような高い給与が得られる仕事の場合、代理人が付く事はないはずです。金も時間も不十分で、しかも、自身の都合に応じて容易に勤務の内容をへし曲げるなんて事ができない一般人と同列に考えるのはいかがなものでしょうか。
要するに知事と言う大それた役目を果たしえない者はそうした地位を自体すべきですね。
投稿: DUCE | 2010年10月29日 (金) 20時40分