日本国憲法を読んでみよう(その11.国民権利義務その6)
父「今回は教育、勤労、納税の日本国憲法三大義務が出てくるよ」
第二十六条【教育を受ける権利、教育の義務、義務教育の無償】
1
すべて国民は、法律(教育基本法第三条第二項)の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2
すべて国民は、法律(教育基本法第四条)の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
第二十七条【労働の権利・義務、労働条件の基準、児童酷使の禁止】
1
すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2
賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律(労働基準法)でこれを定める。
3
児童は、これを酷使してはならない。
第二十八条【労働者の団結権・団体交渉権その他団体行動権】
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
第二十九条【財産権の保障】
1
財産権は、これを侵してはならない。
2
財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律(民法第一編)でこれを定める。
3
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
第三十条【納税の義務】
国民は、法律(憲法第八十四条)の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
父「これらは主に国民の義務について述べた条文だ。先日も言ったけど、憲法は立法者を縛るものだから、ここに限定列挙している以外の義務を国民に課すことは明らかな憲法違反と言っていい。裁判員制度なんてその最たるものだ。また、29条は財産権を保障したものだけど、私有財産を公共の福祉のためには国に提供しなければならない、という一種の義務とも言えるのだね」
子「義務だから全員がしなければならない、ということでもないのね」
親「そうだよ。たとえば税金を、収入の少ない人から取らないのは違憲ではない。でも、国民の義務と書いておかなければ、税金なんて取ってはいけないことになるね。
この4条についての総論はここまで。以下順番に見ていこうか。まず親が子に教育を受けさせる義務と、子供が教育を受ける権利があるんだ。権利は放棄していい、ということではないよ。お前が宿題をサボろうとしたら、お前に宿題をやらせるのは親の義務だ」
子「宿題はもうやったから大丈夫だよ」
父「この勉強もお前の義務だから、まだまだがんばれ。次は労働の権利と義務。労働は義務でもあり、権利でもあるんだね」
子「義務と権利ってどういうこと?」
親「権利の意味は、第2項と合わせてみれば、まともな待遇で働く権利がある、ということだ。義務というのは精神論、親から援助を受けて働かない人がいても憲法違反で訴えられることはないわけだから」
子「うちは貧乏だから、わたしは大人になったら働かなければ食べられないわけね」
父「そうだよ、残念でした(笑)」
子「第28条はどういうこと」
父「マルクス主義的な発想だけど、貧乏な労働者は、金持ちの経営者に対抗しようにも、売れるものは労働力だけ、いつ首になっても仕方ない、ということでは立場が弱すぎるから、団結して対抗できる、という権利を保障したものだ」
子「29条、30条は当たり前ね」
父「現代から見れば当たり前に過ぎないけど、でもこの2条は近代憲法の根幹となる条文だね。財産権の保障と租税法定主義は近代国家の根本の一つなんだ。政府は、法律で決められた以外の税金は取ってはいけないし、お金を稼いだときは非課税だったのに後付けで課税、も同様に許されないことだ。
ただ現代では経済行為も税制も非常に複雑なので、法律で全部決めきれない部分もあって、税務署の判断で似たような行為に適用される法律を準用することもあるのは仕方ないのかな。でも、税制は複雑すぎるね。法律の抜け穴を作らないためにはできるだけ簡単にしたほうがいいけど、税理士が失業しないようにしているのかな」
子「そんな理由で税制を決められてはたまらないわ」
父「これはまあ穿った見方だけど、でも現実はそんなものかも知れないなあ。こういうところこそ改革すべきなんだろうね」
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コメント
日本国憲法で定められている教育の権利、義務は国民に対してでしょう。そうなると外国人の場合は、こうした事とは元来無関係になりますね。
まあ、現実には外国人に対しても普通教育の門戸は開いていますが、しかし、外国籍の者に対して日流教育が意味を成すのでしょうかと言う疑問が少なからず残ります。
たとえば、竹島はわが国の領地と教えても、外国からすれば、よそ事でしかなく、関係ない事でしかないのです。
まあ、一旦、日本にいついたならば、第二の祖国と称しえるほどになってもらうべきであって、その為には我々国民に対するのと同様に、日章旗、君が代を国旗、国歌として教えるのは当然でしょう。
その辺の所を日教組教師のあほんだらは理解できないでしょう。元々、それらの物は彼らの嫌いな物でしょうから、ここぞとばかりに、彼らにも彼らの国があるからと、一見もっともらしい事を言って、邪魔立てをするでしょう。
しかし、外国人の場合は、なおの事、日流教育から逃れられるはずなのに、あえて日本に居つくのであれば、日流教育は自ら選択したものに他ならない訳で、強制なんぞと言う筋合いの物ではありますまい。
従いまして、不法滞在者に対する教育は論外ですが、すべからく外国人は自らの意志で日本に居つくならば、ぜひ、わが国の国旗、国歌に対して親近感を持っていただきたいです。
投稿: DUCE | 2009年8月13日 (木) 22時28分
DUCE様
>日本国憲法で定められている教育の権利、義務は国民に対して
>外国人の場合は、こうした事とは元来無関係
はい、憲法上はその通りです。教育を受ける権利は国民「固有」ではないので、外国籍のものにサービスしても、国民が納得する限り問題ありません。
>外国籍の者に対して日流教育が意味を成すのでしょうかと言う
>疑問が少なからず残ります。
まことに同感。読み書きそろばんくらいでしょう。
>まあ、一旦、日本にいついたならば、第二の祖国と…
>その為には我々国民に対するのと同様に、日章旗、
>君が代を国旗、国歌として教えるのは当然でしょう。
大いに賛成。
>すべからく外国人は自らの意志で日本に居つくならば、
>ぜひ、わが国の国旗、国歌に対して親近感を
当たり前の話ですね。例えば私がイギリスに住むなら、当然のことながら「ユニオンジャック」「GOD SAVE THE QUEEN」、そして何よりイギリス女王に敬意を表します。それが嫌なら住まなければいいだけ。
投稿: 練馬のんべ | 2009年8月14日 (金) 00時36分
何事も鵜呑みにしない様にした方が良いと思います。
その三つの権利で擁護が出来るとは思えない。
投稿: 日本国憲法 | 2009年9月21日 (月) 18時56分
日本国憲法さま
仰せのこと、意味分かりません。ここでは三つの義務について論じています。
投稿: 練馬のんべ | 2009年9月21日 (月) 19時24分