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2009年1月 2日 (金)

のんべの宗教観

読者の皆様はもう初詣に行かれたでしょうか。のんべは昨日、近所の天祖若宮八幡宮に家族で参拝してきました。仕事始めの5日には、靖國神社にもお参りするつもりです。

初詣では神社でもお寺でも気にせず拝し、結婚式では教会でアーメン。日本人なら普通そんなもんです。のんべも、そう。日本人は無宗教だからこんなことができるのでしょうか。

のんべブログは時折神社ブログになるわけですが、神道の信者、というわけでもない。こんな機会ですから「のんべの宗教観」を書いてみます。正月だから気分転換もまたいいかな、と。

地球も太陽も月も、「偉大なるもの(サムシング・グレート)」。我々人間もその一部。「大自然」「造物主」などと呼んでも結構。「偉大なるもの」の意志により、地球が生まれ、生物が生まれ、人間が生まれました。万物は「偉大なるもの」の一部。人間も「偉大なるもの」の一部です。すべては大自然の摂理に従って動いています。人の心だけは「偉大なるもの」ではなくその子らしく、心は自由に考えることができます。人間の身体は「偉大なるもの」、言い換えれば「偉大なるもの」が人の心に貸し与えたものなので、心の自由にはなりません。死ねば土に還る、つまり「偉大なるもの」に返すわけでしょう。

万物は「偉大なるもの」。だから、何に祈っても良い。どの神に祈ろうが、結局は「偉大なるもの」に祈っているのです。

何に祈ってもいいのなら、拝する対象など不要、という考え方もできます。でも、そうでないのは、人の心は拝するためには拝する対象が必要だから、らしい。

これは、日本人が無意識に持っている伝統的宗教観と一致するのかも知れません。「いわしの頭も信心から」といいます。また、熱田神宮でも石上神宮でもご神体は剣。剣が神というのも不思議ですが、日本では普通。誰かが祈れば、祈られたものは神性を持つわけです。それは、後ろに「偉大なるもの」がいらっしゃるからではないでしょうか。

日本神話では、神々はよく「うけひ」をします。神々が占っているのです。「偉大なるもの」にお伺いを立てているのでしょう。古事記では、その「偉大なるもの」を「造化の三神(天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神)」と言っているのでしょう。

拝する対象を絶対視するのは、一神教。相対視するのが多神教。でも、実際は神の上に「偉大なるもの」を無意識下で認めているとすれば、結局同じことなのかなあ、と思ったりしています。一神教のキリスト教でも、マリア様や大天使ガブリエルを拝すことがあります。強いて言えば、自分の拝している以外の神を認めるかどうか、それが多神教と一神教の差でしょう。日本でキリスト教が多数派にならないのは、大自然に神を感じる心が日本人にあるからでは。

どの宗教観が正しいなどというつもりはありません。どれも、正しいのでしょう。

「偉大なるもの」は、その言葉を預けし者を人間世界に遣わしています。例えば、お釈迦様、キリスト様。預言者の伝えた本物の宗教は、どれも「偉大なるもの」の教えです。

預言者は生存中は耐え難い苦労をなさるものです。聖なる宗教家は預言者に準じるもので、俗人から見て羨ましいものではありません。俗人が羨むばかりの金満な奴らは、教えを捏造または悪用する「宗教屋」でしょうから、ご用心。

いまひとつまとまっていないのは、ほろ酔いのせいにしておきますか(笑)

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コメント

のんべさん、あけましておめでとうございます。
なるほど、日本人の宗教上の無節操ぶりは世界一なのかなぁと思います。しかも、そのいろんな宗教へのかかわりと言うのも、その多くは信心とは関係ないものが多いのではないのでしょうか。
わたしの見解としては、イベント宗教、観光宗教、願い事宗教、弔い宗教の4つに分かれます。
クリスマスや七五三はイベント宗教。初もうでや、高尾山や大山などへの登山は観光宗教。受験などでの願掛けは願い事宗教。
そして靖国神社への参拝は弔い宗教に当たるでしょう。別段、軍国主義教への信心ではありません。

投稿: DUCE | 2009年1月 2日 (金) 19時17分

DUCEさま
あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。

>日本人の宗教上の無節操ぶりは世界一なのかなぁ
のんべは、「無節操」というより荘子でいう「渾沌」かなあ、と。見た目同じかも知れませんが…

投稿: 練馬のんべ | 2009年1月 3日 (土) 22時48分

あけましておめでたう御座居ます。

>日本人は無宗教

つらつらと日本史を古代から近現代まで読んでみると、日本人は古代より現代俗世間(西欧含む)で言ふところの「宗教」を超えて仕舞つて居ると考へて居ります。
カテゴライズされた現代宗教の宗教観でははかれない宗教を持って居ると言ふか、なんと言ふか・・・

違ひますかね?(笑)

投稿: 葦原屋 | 2009年1月 4日 (日) 04時30分

葦原屋さん
新年おめでとうございます。

>「宗教」を超えて仕舞つて居ると考へて居ります
>現代宗教の宗教観でははかれない宗教
大いに賛成、強く共感。
たとえば、真の無宗教地帯には、キリスト教の宣教師がくればキリスト教が大いに広がりますが、日本ではそんなことはありません。

投稿: 練馬のんべ | 2009年1月 4日 (日) 08時34分

明けましておめでとう御座います、本年も何卒宜しくお願い致します。

 さて、昨年末女房が間違えて採った番組の中に「アグロフォレスティ」と云うブラジルでの日本人移民の活躍を描いた作品(NHK BS)を偶然見ることになりました。

 話を要約しますと、移民当時の話に遡ります、広大な土地を目の前にしては居ましたが、そこは熱帯雨林の原生林で、伐り開く土地に何を植えれば善いのかと迷った挙げ句、胡椒を栽培して看たら是が大ヒット、胡椒の価格が高い時期で、年収が日本の十倍と言う成果に繋がって忽ち巨万の冨を得、日本からも新たな入植者が2千人も来たらしい、しかし、15年目に胡椒畑が原因不明の病気で全滅、新たに原生林を伐り開いては病気で全滅、を繰り返したが、日本の農業の伝統である「木を伐ったら植林をする」処から、その土地に最適な木の構成で森林を造る「アグロ・フォレスティ」と云う手法に行き着いた。

 是によって森林は蘇り、多種多様な植生からの恵みで、農業で自立する事が出来るようになっている、この手法は、日系ブラジル人によって、広く広められつつあり、ブラジルの原生林の現象の歯止めになり始めている。

 と云うモノでした。

 このアグロフォレスティの基本のコンセプトは、間違いなく「自然との共生」です、というか、人間の基本は自然に無理自強いしなくても善い様に、自然のシステムの妙を学び、それに沿って人為を揮う事なのだと思います、同時に、生き物によってこの地球環境が保たれている、と言うガイアシステムの考えの敷衍でもあります。

 例えば、アマゾンの地味は、雨期に浸水、乾期に乾燥を繰り返す環境にある処から表土が5㎝の厚さしかなく痩せているが、偉大な森林を保持してきた、其れを助けていたのは、数多くの微生物や昆虫の働きである事からも判ります。

 この自然を造り賜うたのは、遠く神の仕業であるのであれば、のんべさんが仰有るsomething greatこそが、その神に他ならないワケです、私は科学とは、神の御技の解明をする為に、人類が神様に許されたモノだと解釈しております。

 神様は物言うモノではなく、唯、在りとして在るモノ=YHWH=ヤハウェ、エホバ、ヤーグェ、アッラー・・でなければ成らない筈です、神の正体を説き明かす必要はない一方、神が自然界に示した法則を説き明かすのは、科学でなければならないと思います。

 ヒトの想像を超す遙かなモノ、畏れ多きモノ、心の奥底に言いしれぬ感動を及ぼすモノ、其れが神と言うのなら其れも神でしょう、しかし、全ては、造物主である神様を超えることはないし、その神が人間だけの為に在ると考えるのは剰りに愚かなことでしょう。

投稿: ナポレオン・ソロ | 2009年1月 4日 (日) 14時22分

ナポレオン・ソロさま

おめでとうございます。

>「アグロフォレスティ」と云うブラジルでの日本人移民の
>活躍を描いた作品(NHK BS)を偶然見ることになりました。
なかなか素敵なお話ですね。NHKは「やればできる子」なので、反日分子さえ取り除けば…

>科学とは、神の御技の解明をする為に、人類が神様に
>許されたモノ…神が自然界に示した法則を説き明かすのは
>科学でなければならない
大賛成です。

>全ては、造物主である神様を超えることはないし、その神が
>人間だけの為に在ると考えるのは剰りに愚かなことでしょう。
まことに。愚なる考えの典型が合理主義と共産主義。世界中の誰もが気づいていることなのに、相変わらず人類は「チキンレース」に奔走しているようです。

投稿: 練馬のんべ | 2009年1月 4日 (日) 15時03分

本年も宜しくお願いします。

私は、初詣に始まり結婚式や葬式に至る「宗教ハシゴ」に
なり得る土台は神道にあるのではないかと思っています。
神道は、極端に言えば「自分以外は皆、神様」な考え方。
これが宗教か風習かは論が分かれるところですが、
とにかく神道においては(理念として)基督やアラー、
釈迦は勿論、貧乏神や飛行機まで神様になる
くらいですからね(笑)。

投稿: ハーグ竹島 | 2009年1月 4日 (日) 18時22分

ハーグ竹島さま

新年おめでとうございます。

>「宗教ハシゴ」になり得る土台は神道…
>神道は、極端に言えば「自分以外は皆、神様」
大いに賛成です。いわゆる宗教でもなければただの習俗でもなさそうな…世界がそれに気づけばいいのですけどね。

投稿: 練馬のんべ | 2009年1月 4日 (日) 20時57分

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