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2008年12月14日 (日)

【転載歓迎】「08憲章」が中国を変える!―『開放』編集長・金鐘氏

中共での「08憲章」を、チナヲチの御家人さんがアップなさいました。ぜひご一読を(できればチナヲチさんの元記事をどうぞ)

本ニュースはのんべも非常に気になっていたのですが、素早く翻訳し記事アップなさった御家人さんに大感謝。

以下、転載歓迎!必ず冒頭か文末に【※注】の文章を明記願います

---以下、転載-------

【※注】本記事はブログ「日々是チナヲチ。」(http://blog.goo.ne.jp/gokenin168/)様の了解を得て同ブログより転載したものです。

「08憲章」が中国を変える!――『開放』編集長・金鐘氏

◆一党独裁に叛旗!全面的民主化求める異例の檄文「08憲章」

 中国共産党による一党独裁体制の終結と全面的な民主化を求めた「08憲章」と題する文書が12月10日、中国の学者や作家、弁護士,新聞記者など303名の署名とともにインターネット上で発表された。

 知識人らの連署による政策批判や政治犯釈放要求は過去にも行われてきたものの、300名以上が実名を明らかにして公然と一党独裁を批判するのは極めて異例だ。

 「08憲章」は著名な反体制評論家・劉暁波氏らが発起人となって起草されたもので、「一党独裁」と明記してはいないものの、

「新中国は名義上は『人民共和国』だったが、実質的には『党の天下』だった」

「執政党が政治,経済,社会の一切を独占し」

「その結果数千万人の生命が失われ、国民も国家も極めて惨憺たる代価を払うことになった」

 などと一党独裁体制を真っ向から批判。その一方で多党制、三権分立、普通選挙制,基本的人権の尊重、共産党色の払拭などといった全面的な制度改革を実現することで中国が健全な民主国家に生まれ変わることができると主張している(「『08憲章』の主張」参照)。

 ――――

 中国当局は強硬姿勢でこれに対処するものとみられ、すでに劉氏ら複数を8日、「国家政権顛覆煽動罪」の容疑で刑事拘束。今後も署名者への監視・拘束が相次ぐのは必至だ。

 ただしネット上で各所に転載された「08憲章」は現在でも中国国内から検索することができ、その大半はすでにアクセス不能となっているものの、一部のウェブサイトではいまだに全文を読むことが可能。これについては署名者が出揃ったところで一斉摘発を行うのではという見方もある。

 しかし「08憲章」に賛同した署名者数は海外在住の中国人も含め,12日現在ですでに1000名を突破。中国国内では知識人だけでなく労働者、農民、企業経営者,プログラマー、大学生などの新規署名が目立ちつつあり、賛同者が従来の枠を超えて庶民の間にも広がる勢いを見せ始めている。

 折しも主要先進国の景気後退を受けて、輸出頼みでやってきた中国経済は失速中。広東省だけですでに数万社が倒産したとみられ、突然の工場閉鎖や解雇通告、また経営者の夜逃げで失業者となった出稼ぎ農民たちが騒いで官民衝突に発展するなどの事件が頻発している。

 不動産と株のバブルもはじけて原野商法や高利をうたった違法な資金集めなどの被害者による暴動も相次いで発生。一方で中国独特の歪んだ経済発展モデルが超格差社会という形で行き詰まった状態でもあり、待遇改善を求めるタクシー運転手が地域を越えて連携し、各地で同時多発的にストライキを決行したのは記憶に新しいところだ。

 ――――

 こうして中国社会に不穏な空気が漂い始めた矢先、基本的に書斎派である知識人を中心に発表された「08憲章」が庶民レベルでも受け入れられることになれば、事態は意外な展開をみせる可能性もある。

 署名者には耕地強制収用や再開発事業で生活の場を失った農民や市民など被害者に対する救済活動に奔走している人権派弁護士や、エイズ患者救済活動家などが多数名を列ねている。すでに半ば組織化されている被害者経由で一般市民などへのつながりが生まれていけば……?

 あるいは、ユーザー数が2億人を突破し、都市部住民の代弁者として政府も無視できない存在感を示すようになったネット世論が、「08憲章」を好意的に受け止めて盛り上がるようであれば……?

 生活に行き詰まって蹶起する事件が多発するなか、「民主化」という悠長なテーマを掲げた「08憲章」が一般層に受け入れられるかどうかは甚だ疑問だが、一党独裁体制やその必然的帰結のひとつである党官僚の汚職や特権ビジネスの蔓延を公に批判する、という凛然たるスタンスが共感を呼んで火種となり、反体制的なムーブメントが生まれるという「大化け」の目も。

 ともあれ、中共政権に対する「叛旗」、知識人による「宣戦布告」ともいえる、ある意味歴史的な文書が出現しながら、日本のマスコミによる報道は遺憾ながら未だ詳細に欠け不十分だ。

 こうなったら関係者に直接聞いてしまおう、ということで当ブログは無謀にも独自取材を敢行。

 中国問題に関する評論や消息筋情報が満載で中国観察には欠かせない、香港の月刊誌『開放』の編集長にして著名なチャイナ・ウォッチャーである金鐘氏に話を聞いた。

 同氏は劉暁波氏とも親しく、「08憲章」にもすでに署名している。有数の中国観察家にふさわしく、金鐘氏は「08憲章」の内容に対する充足感と希望を託す心情を吐露しつつも、「08憲章」が直面している厳しい現実を冷静に分析・解説してくれた。

 「大化け」はやはり、夢で終わるのだろうか?

  ――――――――

◆「08憲章」の主張

 ●「自由,人権、平等、共和、民主、憲政」の六点を基本理念とする。

 ●「一党独裁」と明記していないものの、中共政権に真っ向からダメ出し。↓

「新中国は名義上は『人民共和国』だったが、実質的には『党の天下』だった。執政党が政治・経済・社会資源の一切を独占し、反右派運動、大躍進、文化大革命、六四(天安門事件)、また民間宗教活動や人権擁護運動への弾圧など一連の人権災害をもたらした。その結果数千万人の生命が失われ、国民も国家も極めて惨憺たる代価を払うことになった」

 ――――

 主な具体的目標は下記の通り。

 ●多党制、普通選挙制、三権分立の実現と基本的人権の尊重。

 ●集会・デモの自由、表現の自由、言論の自由、結社の自由、報道の自由、出版の自由、宗教の自由、学術研究の自由の実現。

 ●私有財産の保護。

 ●財政・税制改革の断行と社会保障制度の確立。

 ●環境保護の強化。

 ●都市と農村の二本立てである戸籍制度の一本化。

 ●各組織における党委員会は国家による法治を著しく阻害するため廃止。

 ●イデオロギー色の濃い政治教育や政治科目試験の廃止。

 ●軍隊の国軍化(現在の人民解放軍は政府ではなく党中央の指揮下にある)。

 ●香港・マカオの自由な制度を保障し一国家二制度の実質を保つ。

 ●自由と民主を前提に台湾と対等な立場で協議の場を持ち、最終的には民主的憲法の下に中華連邦共和国の建国を目指す。

 ●過去の政治運動で迫害された者とその家族に対する名誉回復と国家賠償の実施。全ての政治犯、良心または信仰によって犯罪者とされた者の釈放。

 ――――――――

◆インタビュー:「08憲章」が中国を変える!――香港誌『開放』編集長・金鐘氏

■格段に進化した「民主化綱領」

 ――「08憲章」は事実上現在の中共一党独裁体制を否定し、一方で民主的国家の成立を目指すと宣言したものとみていいか?

「その通り。中国を日本のような民主国家にするというものだ。ただ(「08憲章」の文面では)『一党独裁』という言葉は避けているが」

 ――「08憲章」は長期的ビジョンとしての提案なのか、それとも切迫感に満ちた「檄文」とみるべきか?

「中国の民主化は長期的な目標。『08憲章』が主張しているものの多くは短期間で実現できるものではない。だが『08憲章』の発表に踏み切ったのは切迫感によるもの。中国社会の人権、法治、両極分化などといった不公正が、社会における様々な対立をエスカレートさせている。『時代遅れした現行の体制はもはや改める他ないことを、災難のような収拾のつかない状況が明示している』と『08憲章』の前言にある通りだ。憲政制度改革への着手は待ったなし、ともいえる。官民ともにそういう共通認識を持つべきだ」

 ――1989年の民主化運動~天安門事件当時と比べて、「08憲章」の主張する内容には相違点や進歩した点はあるか?

「1989年の学生運動(民主化運動)は、北京の大学生が官僚による汚職蔓延への反発や胡燿邦の再評価を求めたことに始まり、それが報道の自由、トウ小平引退を求めるという、国内はもとより世界の民主化運動を震撼させる圧倒的な動きに発展した。鎮圧されてはしまったが、その意義は極めて大きい。だがあの運動は、全体主義体制を根本から全面的に改造するという大方針を最後まで打ち出すことはなかった」

「当時の天安門広場のリーダーたちは結局のところ、政治的・思想的にまだ未熟な大学生だったからね。だが今回の『08憲章』はほぼ形の整った中国改造の民主化綱領で、ここ百年の中国における無数の志士たちの心血と夢が凝縮されている。だから内容についていえば、『08憲章』は明らかに1989年の学生運動よりも遥かに高い見地に立ち、とても成熟したものになっている」

■切迫した危機意識が生んだ「08憲章」

 ――中国国内の知識人たちが「08憲章」を発表した動機は?

「動機は3つあると思う。まずは現実的な切迫感。歪んだ形での発展が、根深く広範で際限のない悪影響を中国にもたらしているという点だ。それが良知ある知識人の心に重くのしかかっている」

「第二に、ここ20年近くの中国の『国民社会』の発育と成長が、『皇帝への上書』といった伝統的な考え方から知識人を解放し、社会に直接訴えかけるスタイルを生み出した。それが今回、わずかな時間で300名以上もの、しかもその大半は知名度も活動分野もバラバラな人たちの署名を集め得た要因だ」

「第三点は、外国の経験に学んだこと。チェコの劇作家ヴァーツラフ・ハヴェル氏が1977年、ヘルシンキ宣言に織り込まれた人権擁護を当局に対し求めた『憲章77』が、1980年代のチェコや東欧の民主化に歴史的貢献を果たした。これは中国の知識人たちにとって忘れることのできない啓示だ」

 ――「08憲章」の起草作業はいつごろから?

「『08憲章』の起草作業が始まったのが具体的にいつごろかは,私も知らない。ただ、来年の『六四』20周年と今年の世界人権宣言60周年という二つの節目を迎えるにあたって、発起人たちの間で話し合いが行われたとは聞いている。結局12月10日の世界人権デーに今回の文書を発表することにした訳だが、執筆にはあまり時間をかけていないようだ」

「執筆者の中心的存在である劉暁波氏は、海外の中文メディアでよく知られている政論家。この20年来北京に居を構えて、中国社会と政治に対する鋭敏な観察者というスタンスを貫いている。1988年に北京師範大学で博士号をとり、過去に中国独立作家ペンクラブの会長を務めたこともある」

 ――わざわざこの時期を選んで「08憲章」を発表したことに何か含みはあるのか?国内の経済・社会状況に混乱が出始めたというタイミングとの関係は?

「『08憲章』の出現が中国社会の悪化と危機に関係していることは話した通りだ。だが今日(12月10日)発表したのは、単に世界人権デーに合わせただけのこと。もちろんこれは非常に良いタイミングだ。チェコの『憲章77』も人権擁護の名の下に発表されたことを忘れないでほしい」

■保護者なし。投獄覚悟の孤独な闘争

 ――中国国内で「08憲章」のようなものを発表するというのは政治的リスクが極めて高いものと考えるが?

「そう、リスクがある。12月8日の夜に、劉暁波氏は『国家政権顛覆煽動罪』で『刑事拘留』された。劉氏は『08憲章』を起草するに際して、投獄に備えてちゃんと用意をしていたそうだ。ハヴェル氏も当時、日用生活品を整えていつ逮捕されてもいいようにしていたというが、これは全く常人には理解できない、崇高な使命感を有した人の覚悟だ」

 ――発起人をはじめ署名した知識人たちは何を拠りどころとしているのか?後ろ盾はあるのか?

「彼らに後ろ盾がいるかだって?人に聞かれたことがあるよ。戊戌の変法の康有為ら六君子には光緒帝がいて、1989年の民主化運動には趙紫陽がいたが、いまは誰が『08憲章』のメンバーを保護しているかってね。私の知識と分析でいえば、『08憲章』には保護者の存在が全く見出せない」

 ――1989年の民主化運動のときは、党中央にも趙紫陽のブレーンなど民主化を支持する開明的なグループがいたが、現在はどうか?いまの中国に「08憲章」を支持あるいは保護する政治勢力は存在するか?

「歴史を振り返る必要があるね。あのとき趙紫陽派が学生運動の後ろ盾だったかどうかはともかく、少なくとも学生運動に同情的で武力鎮圧には反対していた」

「1980年代を通じて行われた中国共産党上層部の権力闘争というのは、国家も国民をも滅茶苦茶にした文化大革命を経て反省の念を深めた胡燿邦や趙紫陽ら第二世代の指導者と、トウ小平に代表される保守的・伝統的観念の元老派というべき第一世代との間に発生した調和しようのない衝突といっていい」

「この衝突は元老派が学生運動を武力鎮圧したことで終わった。以後現在までの20年間、中共当局は銭ゲバな経済路線を強力に推進して、社会をまるごと、カネこそ全ての世界にしてしまった。様々な利益でエリートの大半を縛り上げて、国家の命脈、中枢部そして痛点を掌握したんだ」

「権力者とエリートが利益共同体となって、貧民たる庶民を圧制の下に置いた。そうなると1980年代のような党上層部内の対立はもう起こらない。連中はどんな反体制的な動向に対処するにせよ、共通した立場にあるからね」

「つまり、党中央には『08憲章』を支持する政治勢力が存在することはない。たとえ内心では同情していても、ひとつの勢力を形成するには至らない。民主派・自由派知識分子で党員になっている者は『08憲章』に間違いなく共鳴するだろうが、その程度の支持で上層部を動かすのは困難だ」

■大学生より庶民に期待

 ――現在の大学生は質の面で1989年当時より大きく劣り、社会的な問題意識も希薄なように思えるが?

「その見方には全く同感だ」

 ――では「08憲章」が大学生の間で広く支持されると思うか?

「大学生の政治への情熱は20年前とは比べようもない。だから『08憲章』を支持する学生はいるとしても限定的だろう。内心では支持していても名乗り出る度胸はないだろうね」

 ――「08憲章」を発表することで学生運動の再現を期待するという意図はあるのか?

「1989年の学生運動を再現するには、『08憲章』ひとつだけでは足りないな」

 ――「08憲章」は広範な庶民の支持を得られるか?

「一般社会での支持度は大学生や知識人たちよりも高くなると思う。特に基本的な権利すら侵害されている底辺の民衆やネットユーザーあたりだね。でも彼らの意思表示の方法は制約を受けるだろうな」

 ――「08憲章」は海外の中国人たちの間で、また国際世論に広く支持されるか?

「海外の中国人は中国本土や香港、台湾よりも強く支持するだろう。国際世論からも一定の支持を得られると思うが、もちろん1989年のように熱烈なものにはならない。(『08憲章』は)ただ一片の文書に過ぎないし、それが運動にも発展していないからね。世界的な経済危機にあって、多くの国が中国経済の支援に頼っているという側面もある」

■当局は強硬姿勢、対話より暴力か

 ――中国当局は「08憲章」についてどういう形で対処するか?

「中共当局は強硬な態度で臨んでくる、というのが私の見方だ。劉暁波氏を『刑事拘留』したのは不吉な前兆といえる。2009年は中国の『政治の年』だ。天安門事件20周年、チベット暴動50周年と、いずれも『多事多難の年』になることを感じさせる」

「治安系統を統括する周永康(党中央政治局常務委員)は江沢民系の保守的な人物で、独裁の威力の信奉者だ。劉暁波氏の逮捕を『2009年の鎮圧を控えたお掃除』だなんて言う者もいる」

「『蘇東波』(ソ連・東欧社会主義政権の相次ぐ崩壊)は中共にとっての悪夢。連中は『08憲章』が『憲章77』になることを決して許さないだろう。ネット上の規制を強化して『08憲章』が広まるのを封殺するだろうね」

「ただ翻って考えれば、強力な鎮圧はより大きな抵抗と社会の動乱を招くだけだから、賢明な対処法は暴力ではなく対話に他ならない。そのどちらを選ぶかについて中共上層部では意見が分かれるかも知れないが、賢明な意見が大勢を占めるのは難しいと私はみている」

 ――あなたが「08憲章」に署名した理由は?

「私が編集長を務める『開放』が創刊以来22年間、一貫して守ってきた政治的理想と原則が,『08憲章』と完全に一致したからだ。それに劉暁波博士は長年にわたる寄稿者であり、私たちの友人でもある。彼は『開放』に数多くの素晴らしい政治評論を書いてくれたし、言行一致で深い内省力を持った尊敬に値する人物だ。だから『08憲章』の推敲中の原稿が私のところに回ってきたとき、公に彼を支持しようと決意した」

■暁闇に包まれて結実の日を待つ

 ――現在、中国の経済・社会状況は坐視できない混乱した状況に陥りつつあるようにみえるが、今回の「08憲章」の発表は中共政権に対する致命的な一撃となるか?中国に平和的変革による民主化実現を促すものとなるか?

「それこそが『08憲章』の起草者,署名者と数多くの署名していない中国人の願いだ。差し当たってどういう運命をたどることになろうと、『08憲章』は長期的な影響力を有していると私は確信している。それは1989年の民主化運動のような勇壮なものではないかも知れないが、種として密やかに中国人の心に入り込んで根を張り、いずれ花を咲かせて実を結ぶことだろう」

「新時代の理性は必ずや暴力に守られた邪悪に取って代わる。アジアにおいて初めての共和国を成立させた民族は、必ずその栄光を取り戻すだろう」

「しかし、私たちはいま少し黎明を控えた暁闇に耐えなければならない。著名な余英時氏(米プリンストン大教授、『08憲章』署名者)からは、死に際の猛虎の凶暴さを見くびるな、と忠告されたよ」

「確かに中国共産党による統治は強大で多種多様であるだけでなく、その手段も極めて巧みで手が込んでいる上に,より緻密なものになりつつある。これが『08憲章』の前に立ちはだかる現実なのだ」(2008年12月10日 / 聞き手:河井森太郎)

 ――――

■金鐘氏プロフィール

 1980年に中国本土から香港へ転居。1981年に中国情報月刊誌『七十年代』編集者となり、1987年に中国情報月刊誌『開放』を創刊、編集長として現在に至る。

 1997年からは開放出版社の編集長職も兼任し、『毛澤東鮮為人知的故事』(2006年)、『趙紫陽軟禁中的談話』(2007年)などのヒット作を刊行。著書に『鄧小平的中國』『中國的演變』、編著に『共產中國五十年』『紅朝宰相周恩來』。『趙紫陽軟禁中的談話』と『紅朝宰相周恩來』は和訳版が日本で発売されている。

 1994年に台湾誌『中国通』の特集企画「華人の中国問題専門家はこの10人」の一人に選ばれる。「08憲章」発起人の中心人物・劉暁波氏は20年来の知己。1988年に行った劉氏へのインタビューが後に中国当局による劉氏批判の主要根拠となり、香港はもとより中国国内でも話題を呼んだ。香港の政論家としては中国政府によって入国を禁じられている唯一の人物(1996年~)。

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