環境に優しい偽装?!
『製紙4社長も謝罪 古紙率偽装 常態化認める』(朝日)
なぜ偽装をしたのか。古紙を使うと品質が落ち使い物にならなくなるか、古紙を白く強くするためには費用が多くかかるです。費用が余計にかかるということは、石油だの化学薬品だのを大量に使わないと古紙は原料にならない、ということを示しています。
つまり、この問題は、「古紙のリサイクルは環境に優しい」など大嘘であること、環境問題の偽装をあらわにしました。冗談抜きで、今回は「環境に優しい偽装」です。
古紙が環境に優しい、というのは環境省を始めとした環境を食い物にする連中のご都合で決められたのでしょうね。紙屋は負担が増えたようでも、「古紙を含有した紙なら多く使っても環境に優しい」と使う側が思い込めば無駄遣いが増えるので売り上げが増えて実は万々歳。企業にとっては「古紙100%」名刺を使えばイメージアップ。いいことばかり?の偽装でした。環境が悪化してもこいつらの懐は痛まないというわけです。
素人考えですが、古紙で作っていいのは、白色や強度などが要求されない紙、つまりトイレットペーパーと、すぐに読み捨てられる新聞雑誌、それにダンボールくらいのものではないでしょうか。
古紙100%の名刺だのコピー用紙だの、無理なことはもうやめるしかありません。当然、「環境に優しい」製品を国などが積極的に調達するよう定めた「グリーン購入法」も、早急な見直しが必要です。
(続きは記事の保存です、当面はリンク先をご覧ください)
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はがき用再生紙の古紙配合率が実際より高めに偽装されていた問題で、トップが引責辞任を表明した日本製紙に続き、王子製紙など大手4社が18日、はがき以外の幅広い製品でも偽装が常態化していたことを認め、謝罪した。各社は「配合率を上げると紙質を維持できない」などと釈明しているが、顧客は長年だまされていた格好だ。
王子製紙、三菱製紙、大王製紙、北越製紙の社長らが同日、東京都内で相次いで記者会見。4社の社長は留任し、問題の解明や再発防止に当たる意向を強調した。
最大手の王子では、古紙配合率の偽装は94年には始まっていたという。中には、再生紙をうたいながら古紙を全く配合していない年賀はがきやコピー用紙もあった。篠田和久社長は長年の偽装について「大半はきちんとしている」と述べ、進退にかかわる問題ではないとの認識を示した。
三菱では、00年用年賀はがきの生産から、配合率が基準値を満たさない偽装が始まったという。40%を求められる年賀はがきの実際の配合率は当初、約20%だったが、古紙の調達難や品質低下などで徐々に下がり、08年用は2.3%だった。佐藤健社長は「配合率を決めるのは工場」とし、自らは問題を把握していなかったと釈明した。
大王の年賀はがきには、古紙はほとんど入っていないという。07年10~12月に再生紙として販売した製品には、公称配合率100%としながら7%しかなかったコピー用紙もあった。井川意高(もとたか)社長は配合率偽装の理由について「配合率の基準を満たすのが技術的に無理でも当社だけが『できない』と言うと、受注を失うのではないかという疑心暗鬼があった」と釈明した。
北越も、再生紙はがきの古紙配合率について「当初の96年から1~5%だった」と明らかにした。再生紙は環境商品として定着しており、三輪正明社長は「確認をおろそかにしたまま受注する営業部門の売り上げ重視の姿勢」を偽装の原因に挙げた。
各社は、環境に優しい製品を国などが積極的に調達するよう定めた「グリーン購入法」の対象製品のうち、配合率が基準値に満たないものの生産や販売を中止する。同法は、例えばコピー用紙には100%の古紙配合率を求めるなどしている。複写機メーカーも、基準値に満たない再生紙の官公庁への販売を見合わせているため、官公庁では今後、コピー用紙などが不足しそうだ。
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コメント
「環境に優しい偽装」とは上手い表現ですね。偽装は消費者を欺く行為ですから、それはそれとして裁かれねばなりませんが、その背景にある無理、無駄の実態を社会がきちんと認知できるよう行政も企業も「膿」を出してほしいと感じました。
投稿: 三四郎 | 2008年1月19日 (土) 17時49分
三四郎さま
まさにその通りですね。役人やマスコミが作った基準が無茶で、メーカーとしてきちんと反論すればいいのに怖くて安直に偽装に走る、という今回のようなケースも多いと思います。今回の件、もちろん偽装企業も悪いけど、それ以上悪いのは基準を作った役所だと思うのですが、きっとお役人サマは無謬だから反省しないだろうなあ…
投稿: 練馬のんべ | 2008年1月19日 (土) 23時47分
いつも参考になる記事を、ありがとうございます。竹島プロジェクトについても、僕も昨年同様に参加させていただくことにしました。また、練馬のんべさん同様に、北方領土奪還、拉致被害者奪還についても、微力ながら声を上げていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
投稿: パンプキン | 2008年1月20日 (日) 21時39分
パンプキンさん
竹島プロジェクト参加ご表明ありがとうございます。竹島、北方四島、拉致被害者の奪還に向け、お互い頑張りましょう!
投稿: 練馬のんべ | 2008年1月20日 (日) 22時18分
この葉書の古紙含有率についての製紙会社叩きは、的が外れすぎて居る様に思います。
確かに「嘘」は善くない、でも、閣下の憂鬱で、閣下が仰っているように、誰もその事で迷惑や被害を受けたわけではない、政府が現実の水準を知ってか知らずか、勝手に高いハードルを設定したから、やむなく嘘を吐くしかなかったのでしょう、しかも「利用者に迷惑をかけない」良心的な方向で行われているワケです、是で社長職を辞職しなければならない水準の倫理基準で有れば、談合で営業停止を喰らったゼネコンや重工会社の社長の一体何人が辞めれば釣り合うやら、彼等の談合は、税金を共謀して不当に横領していると云う見方さえ成り立つのですから。
全ては、外国人参政権の闇の通過を目論む勢力が打った「紛れ」ではないかと疑っている私です。
投稿: ナポレオン・ソロ | 2008年1月21日 (月) 21時27分
ナポレオン・ソロさま
仰せの通りと思います。環境省の無茶な設定が一番悪い。
ただ、環境に優しい古紙を(どんどん無駄に)使おう、というキャンペーンで紙屋さんはだいぶ儲けています。古紙由来の紙なら、無駄遣いしても環境に優しい、という困った心理にするのが狙い。リサイクルが無駄遣いを推進する典型例です。
環境マークなど設定せず、紙の無駄遣いは許すな、というのが正しい姿。それをやられたら紙屋さんは儲からないので、このようなキャンペーンを環境省と一緒に張った、というところでしょう。
最初に年賀状で発覚したところから、年賀状遅配を隠すための郵政のタレコミから始まって、いろいろな勢力が悪乗りしたのかな、と妄想しています。
外国人参政権と人権擁護という悪魔の2法案は、マスコミが懸命に隠蔽していますね。
投稿: 練馬のんべ | 2008年1月21日 (月) 22時15分
先週のチャンネル桜の番組でも取り上げられていました、この事件。
この事件、偽装した会社も会社です(責められても仕方ないです。「嘘」付いたんですから。)が、それを責めるマスコミ・国民も同罪ですね。
チャンネル桜のコメンテーターによると、ヨーロッパの再生紙と言うのは非常に質が悪くて色が汚いそうなんです。
グレーっぽくてザラザラしていて、スグに再生紙と分かる位だそうです。
(北朝鮮の紙ほどではないらしいのですが)
でも、日本の再生紙は色が真っ白に近いですよね。
(名刺がその典型的な例です)
あれは白く見せるために相当量の化学薬品を使っているそうなんです。
しかも日本人は再生紙とは言えども、見た目のキレイさに拘るからそういう行為(薬品を使う事)をせざるを得ないとか。
企業も再生紙を使うのはコスト的にも問題だし、薬品を使ってまでそんな事はしたくないけど、世の中の風潮には逆らえない・・・と言うのが本音みたいです。
私が中学生の頃「無印良品」というのが世の中に出始めました。
私はよくメモ帳・シャープペンシルの芯などを買っていました。
あの当時のメモ帳の紙の質はそんなによく無かったですね。
(一目で再生紙と分かるくらいでした)
私はエコ・再生紙を使う事には反対しません。
が、美辞麗句を並べたウソに惑わされてはならないと思います。
再生紙にまでキレイさを求めるのはちと異常ではないでしょうか?
投稿: ひろふみ | 2008年1月22日 (火) 22時14分
ひろふみさま
>再生紙にまでキレイさを求めるのはちと異常
その通りですね。
ただ、色はともかく、強くて滑らかな紙でないとOA用紙にはなりえません。今のコピー機やプリンターは、両面プリントや自動紙送りで相当強く紙を引っ張ります。ざらざらな紙ではインクがうまく乗りません。
結局、古紙をOA用紙にするためには化学薬品による加工が必須です。だから無理だと思うわけです。
古紙配合紙だろうがなかろうが、大切なのは無駄遣いしないことです。ミスプリを裏紙にするのではなく、ミスプリを出さないように確認する、ミスプリは手書きで直す、というのを常識にしたいですね。もっとも、会社で下っ端が手書きで直した書類を作り偉いサンに提出すると、普段エコを重視せよなどと言っている偉いサンに限って読みにくいと言って怒ります(笑)
投稿: 練馬のんべ | 2008年1月22日 (火) 22時41分
いつも興味深く読まさせていただいております。
今回の記事も非常にホットでいいですね。
ようは、「環境」という名のビジネスだということでしょう。そもそも最近では温暖化の原因はCO2増加が主な原因ではないとも聞きます。
京都議定書において削減目標が設定されましたが、結局、CO2排出権などを売買するようでは意味がないですね。
この記事をるいネットへ引用させていただきました。ありがとうございます。
投稿: ○○○ | 2008年1月24日 (木) 20時31分
○○○様
引用頂き有難うございます。
>ようは、「環境」という名のビジネス
その通りと思います。日本では公害が落ち着いた後、環境役人と環境学者の仕事はなくなりましたが、そこに降って沸いた地球温暖化。おかげで彼らの仕事ができたし、環境利権がわんさか生まれました。
ここ数年異常気象が続くのが温暖化の証拠という話があるけど、だとしたらここ数年でそう急にCO2が増えたわけでもないので、原因はCO2ではありませんね。おそらく太陽黒点活動と思うのですけど…
投稿: 練馬のんべ | 2008年1月24日 (木) 21時59分