安宅コレクションを見てきました
一燈照隅さんの記事を読んで春から楽しみにしていた、「美の求道者 安宅英一の眼 ― 安宅コレクション(於「三井記念美術館」、12月16日迄)」を見てきました。うーん、さすがは東洋陶磁コレクションの世界最高峰と言われるもの、実にすごい。
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まず、油滴天目はさすが国宝。重文である木の葉天目も面白い。その他も息を呑む逸品ぞろいです。
よくもこれだけ蒐めたものです。安宅英一氏の眼と執念は驚くべきです。会社(安宅産業)を潰したのも頷けます…(苦笑)
すべて「大阪市立東洋陶磁美術館」の所蔵品です。昭和55年頃、安宅産業が倒産(住友銀行が幹事行)して散逸・国外流出の危機に瀕しました。そこで、住友銀行以下、住友グループ21社が152億もの寄付金を集め、その運用利益で建物を建て、安宅コレクションと美術館を大阪市に寄贈したそうです。住友グループが後世に残した誇るべき大きな遺産です。
ところで、東京での展覧会場は、三井本館にある「三井記念美術館」。ここの所蔵品は、国宝「志野茶碗 銘卯花墻」など素晴らしいものばかり。
国宝の名茶碗と言えば「曜変天目」も有名ですが、これは三菱の至宝「静嘉堂文庫」所蔵。
住友は「泉屋博古館」を持ち、青銅器のコレクションで有名です。
三井、住友、三菱、いずれの先人達も儲けたお金の使い方が優雅でした。お金の使い方を知っていました。最近の、品のない金の使い方をする連中とはずいぶん違いますね。
おまけ。福岡と金沢での開催予定
「福岡市美術館」平成20年1月5日~2月17日
「金沢21世紀市美術館」平成20年2月29日~3月20日
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コメント
TB有り難うございます。
のんべさんも安宅コレクションを見られましたか。
安宅英一がいたお陰で、貴重な中国・朝鮮陶磁が残っていると思います。
昔の財閥とか経営者の収集には後生に貴重なもの残してくれていますね。
それだけ物を見分ける目が凄かったのでしょう。
バブルの時有名な物を買いまくったのとはえらい違いです。
投稿: まさ | 2007年11月 5日 (月) 09時10分
まささん
そうですね、安宅氏は会社を犠牲にしてまでも!蒐集なさいました。見る目がまた凄いですね。東洋陶磁博物館は日本の誇りと思います。当時の住友各社の偉いサン方にも大いに敬服。
明治期、三井も三菱も住友も、みなさん見る目がありましたね。
バブル期の買い漁りは、単なる投機、比較になりません。
投稿: 練馬のんべ | 2007年11月 5日 (月) 20時10分