鳩山法相の死刑執行自動化論は正論
『鳩山兄も「軽率だった」 死刑「自動化」、批判相次ぐ』(朝日)
私には全く理解できません。鳩山法相の「自動化」というのは、確定した刑の執行を粛々と行え、法務大臣の判断など入る余地がない、ということであり、当たり前の話。法務大臣が裁判官が決した死刑判決をひっくり返すということは、行政が司法の権限を侵すことに他ならず、憲法の定める三権分立の精神に反します。
亀井氏曰く「人間の命を機械みたいにボタンを入れておけば次から次に殺されていくようなイメージで扱っていいのか。法相の資格もなければ人間の資格もない」
司法にて確定した死刑を執行することに、このような批判が成り立つと考えているのなら、亀井氏に議員の資格はありませんね。
死刑廃止という立場にはのんべは全く与しませんが、死刑廃止を主張するのならば、国会の場で死刑廃止法を提示すべきものであり、どう考えても法務大臣を責めるのは筋違いです。
現在の野党のなんでも批判は、旧社会党より酷いですね。この話で呆れかえっているのは私だけでは無かろうに…
(続きは記事の保存です、当面はリンク先をご覧下さい)
鳩山法相が「死刑執行が自動的に進む方法はないのか」と述べたことについて、28日、野党や政府内から批判が相次いだ。
民主党の細川律夫「次の内閣」法相は「刑事訴訟法が法相の命令を執行の要件としていることへの無理解、法相の職責の重大さについての全くの無自覚を露呈したものだ」と批判。社民党の又市征治幹事長も「法務大臣にあるまじき言動だ。首相の任命責任も含め国会で追及する」と罷免要求も辞さない構えで、臨時国会での論点の一つとなりそうだ。
一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は、弟の法相が「兄と話したところ、『人を殺しても死刑を執行されなければ恐ろしい国になる』と言っていた」と27日に述べたことについて、「死刑の存在は必要ではないか」と法相に電話で伝えたことは明らかにした上で、「弟としてはある意味で多少軽率な発言だった」と話した。
町村官房長官も、法相が死刑制度の勉強会立ち上げに言及したことについて「ご検討されるのはご自由だが、あまり思いつきでやるのはまずいと思う」と突き放した。
一方、鳩山法相は、自らの提言を批判していた亀井静香・国民新党代表代行に「人命軽視という考えはまったくない。人間の資格がないとの批判は当たらない」と反論した。死刑廃止議員連盟会長の亀井氏は26日、「人間の命を機械みたいにボタンを入れておけば次から次に殺されていくようなイメージで扱っていいのか。法相の資格もなければ人間の資格もない」と批判した。
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コメント
練馬のんべさんが仰る通りだと思います。他のところで私も全く同様のことをコメントしました。亀井氏は議員の資格はないと思います。
投稿: おっさん | 2007年10月 2日 (火) 19時27分
おっさん様
やはり考えることは同じですか、そうですよねえ…
それにしても、護憲を旗印にしている人たちは、本件、裁判員制度(裁判員になる義務など憲法上どこにもない)、外国人参政権(公務員の選任罷免は国民「固有の権利」…固有とは、それだけが持つこと)などなど、日本国憲法を無視して無茶苦茶言いますね。
投稿: 練馬のんべ | 2007年10月 2日 (火) 20時35分
TB張りっぱなしで失礼しました。
さすが、いつぞやは居眠りシーンを爆撮された亀井。
仕事をサボる事に良心の呵責はないようで(苦笑)。
投稿: ハーグ竹島 | 2007年10月 3日 (水) 07時49分
ハーグ竹島さま
亀は寝ずに起きてのそのそでも歩いて行くもので、昼寝をするのはうさぎに任せたはずなのでは(笑)
のんべは昼寝が大好き、はい、卯年生まれです…
投稿: 練馬のんべ | 2007年10月 3日 (水) 22時26分
おはよう御座います、ソロと申します。
三権分立の立場から云っても、行政が司法の下した判決を認可しなくては、事実上その実行が為されないと言う制度は明らかに司法の上に行政が位置していると云えましょう。
分立とは、個々の権力が独立した横並びと言う意味でしょう、上下関係が存在したら分立ではありませんね。
例えば帝銀事件の犯人とされた平沢貞通は、死刑判決を受け刑が確定して収監されてたママ、約五十年刑務所の中で過ごした挙げ句老衰死しています。
是は大変に異例なケースですが、事件内容が、見ず知らずの行員十数人を毒殺すると言う極めて凶悪無惨なモノでしたから、死刑を執行しなかった、或いは出来なかったの事実が、死刑判決自体が明らかに誤審であった事を示していると見えますし、そう言う暗黙の了解が、歴代の法務大臣間で為されたと言う事実を観れば、真犯人が当時の政府の力が及ばない類の団体に属していて、政府にもその見当が付いていたと言う事だと、穿った見方も出来るでしょう。
確かにこういう場合には、法務大臣の執行命令が無ければ、死刑を執行できないと言う救済措置には成ります、しかし、その場合の正しい対応とは、再審を始めるべきであり、真犯人を突き止める努力を再開すると言うことでしょう、人の命を云々するのなら、そう言う努力こそ惜しんでは成らないのではないでしょうか。
幾ら死刑が執行されなかったとは言え、90歳以上迄生きた一人の人間の生涯全てを無に帰した事への責任はどうなるのでしょうか、彼や彼の家族係累の社会での名誉回復は、一体誰がするのでしょう、是は国による殺人と代わらないと思います。
日本の戦後のGHQ支配下では奇妙な事件が頻発しています、この事件の他にも、国鉄の労働問題で、松川事件や下山事件がありますね、いずれも未解決のママです。
こういう事実から、日本の占領に如何に酷い背景が潜んでいたか、政府がその勢力に如何に無力だったかをそろそろ、事件の真実と共に明らかにすべき時期なのではないでしょうか。
投稿: ナポレオン・ソロ | 2007年10月27日 (土) 06時04分
ナポレオン・ソロさま
ご訪問ありがとうございます。
なるほど、平沢死刑囚を政府が死刑執行しなかったのは誤審とわかっていたから、というのは自然な見方ですね。その場合、再審で解決すべきだった、というのは理の当然と思います。
仰せの通り、占領下の闇はわかっているものは明らかにすべきですね。もう50年以上経っているのですから。明かされないのは、未だにそれを明かされると困る勢力が多いのでしょうねえ…
投稿: 練馬のんべ | 2007年10月27日 (土) 08時10分