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2007年6月29日 (金)

総連問題:4社社説揃い踏み

6/29の社説は仲良く?四紙揃い踏みです(笑)

元長官逮捕 総連との関係も解明せよ』(産経主張)

緒方元長官逮捕 総連事件の闇を徹底解明せよ』(読売社説)

緒方元長官逮捕 総連本部売買の真相解明を』(毎日社説)

総連本部売買―元公安長官が詐欺容疑とは』(朝日社説)

読み比べるとまことに面白いですね。示し合わせているんじゃないでしょうか。

読売と産経は「総連の闇を追求せよ」と書いており、立ち位置がよく似ています。本ブログの立場からすれば、非常に当たり前の社説です。この二紙なら当然でしょうね。

毎日は総連にはあまり立ち入らずに、緒方元長官と公安の闇、という雰囲気。

今回断然面白いのは朝日の結語。
『朝鮮総連がなんとか居座ろうと無理を重ねた…ここは現実を認めて、新たな拠点を探し、出直した方がいい。』
新たな拠点を探す金があるなら返せよ…などというちんけな突っ込みを許さない高らかな総連への応援歌。いやあ、ここまで書いてくれれば言うこと有りません。どうせなら、「安倍首相が靖国参拝をキッパリと否定しないからこの事件が起こった、安倍首相は総連に対し賠償せよ」くらいに書いてくれればいいのに(笑)

(続きは記事の保存です、当面はリンク先をご覧下さい)

『元長官逮捕 総連との関係も解明せよ』(産経主張)

 朝鮮総連中央本部の土地・建物をめぐる仮装売買事件で、東京地検特捜部は元公安調査庁長官、緒方重威容疑者ら3人を詐欺容疑で逮捕した。予想されたこととはいえ、北朝鮮などを監視する日本の情報機関の元トップが逮捕されたことは衝撃である。

 緒方容疑者は資金調達の見込みがないのに可能であるかのように装い、総連中央本部の土地・建物をだまし取ったとされる。この詐欺容疑に関しては、総連は被害者である。しかし、売買そのものは、整理回収機構(RCC)から627億円の返還を求められていた総連の中枢が、強制執行を免れるために計画した疑いが強い。総連の関与も徹底解明されるべきである。

 緒方容疑者とともに逮捕された満井忠男容疑者は、住宅金融債権管理機構による差し押さえを免れるために財産を隠した強制執行妨害罪に問われ、有罪判決を受けている。緒方容疑者はその裁判で、満井容疑者の弁護士を務めた。今回の総連中央本部の仮装売買に通じるものがあり、この点からの2人の関係解明も必要だ。

 公安調査庁は破防法施行に伴い、法務省の外局として設置された行政機関である。北朝鮮や総連以外に、過激派やオウム真理教(アーレフに改称)の動向など国内外の公安情報を収集する重要な役割を担い、その情報は内閣にも上げられる。

 緒方容疑者はそのトップとして公安庁内の最高機密を把握できる立場にあった人物だ。検察庁では最高検公安部長、広島高検検事長などを歴任し、公安庁では北を重点的に監視する調査第2部長も務めた。

 その元公安庁長官が監視対象の朝鮮総連への強制執行を免れる行為に手を貸していたこと自体、公安庁の信頼を失墜させる行為である。

 緒方容疑者は公安庁長官時代の平成6年の衆院予算委員会で、朝鮮総連について「北朝鮮と一体関係にあると見ている」「非公然組織『学習組』約5000人が非公然活動に従事していると承知している」などと踏み込んだ答弁をしていた。

 検察エリートでもあった元長官がなぜ、朝鮮総連と深いかかわりを持つようになったのか。検察当局はこの深い闇を明らかにすべきだ。

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『緒方元長官逮捕 総連事件の闇を徹底解明せよ』(読売社説)

 「架空取引ではない」としきりに強弁してきたが、通るはずもなかった。

 公安調査庁の緒方重威・元長官が東京地検特捜部に逮捕された。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の東京・千代田区にある中央本部の土地と建物を、総連側からだまし取ったとする詐欺容疑である。

 法務省外局の情報機関である公安調査庁は、北朝鮮、朝鮮総連の動向も主要な調査対象としている。そのトップだった人物が、朝鮮総連がらみの事件で逮捕されるという異例の展開だ。

 特捜部によると、緒方容疑者は中央本部を35億円で購入するとみせかけ、緒方容疑者が代表の投資顧問会社に所有権だけ移転させたという。

 しかし、朝鮮総連は単なる被害者の立場なのか。この売買を仕組んだのは、もともと総連側で、総連側の誘いに乗ったのが緒方容疑者だとみられていた。

 実質的に総連の最高責任者とされる許宗萬・責任副議長が自ら関与していたという構図だった。

 許氏は北朝鮮の国会議員である最高人民会議の代議員も務めるなど、本国と密接なつながりを持つ人物だ。

 加害者と被害者の関係が、逮捕容疑のような単純なものなのか。総連側に違法性はないのか。特捜部には、全容を徹底的に解明してもらいたい。

 そもそもの発端は、破綻(はたん)した朝銀信用組合の債権を引き継いだ整理回収機構が朝鮮総連を相手取り、約627億円の返還を求めて起こした訴訟である。

 総連全面敗訴の判決が今月18日に東京地裁で出たが、この判決を前に、総連は中央本部が差し押さえられるのを逃れようと企て、緒方容疑者が買い取った形にして、5年後に買い戻す念書まで交わしていたとされる。

 朝銀信組の破綻処理では1兆円以上の公的資金が投入されている。整理回収機構が総連を訴えたのも、この国民負担を少しでも軽くするためだ。総連は返済義務を忠実に果たそうとせず、機構の作業を妨害しようとしたのではないか。

 35億円の仲介役とされる元不動産会社社長らも共犯の容疑で逮捕されたが、この仲介役には総連から4億8400万円の資金が支払われている。こうした資金の流れや許氏の動きなど、まだ不明な部分があまりに多い。

 東京地裁は、整理回収機構の申し立てを受け、中央本部について強制執行を認める決定を出した。もともと、総連の乱脈運営が招いたことである。整理回収機構も、中央本部を含め、総連からの債権回収を着実に進めてもらいたい。

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『緒方元長官逮捕 総連本部売買の真相解明を』(毎日)

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物が登記上売買された事件は、元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)容疑者(73)逮捕という衝撃的な事態に発展した。公安調査庁のトップを務め、検事長も歴任した大物検察OBが事件にどうかかわったのか、東京地検特捜部は早急に真相を解明することが求められる。

 特捜部に詐欺容疑で逮捕されたのは、緒方元長官と、売買取引を考案したとされる元不動産会社社長、資金調達役を務めたとされる元銀行員の計3人。3人は、東京都千代田区にある朝鮮総連中央本部の土地・建物について、売買代金を支払う意思も能力もないのに、緒方元長官が代表取締役を務める投資顧問会社に所有権移転の登記をすれば売買代金の35億円を支払うとうそをつき、今月1日に登記してだまし取った--というのが逮捕容疑である。

 特捜部は、朝鮮総連側を被害者と見立て、だまされた直接の当事者を朝鮮総連代理人を務める元日本弁護士連合会会長の土屋公献弁護士らと認定した。当時、整理回収機構から約627億円の返還請求訴訟を起こされていた朝鮮総連が、中央本部の土地・建物を差し押さえられるのを避けるために売却先を探していたことに、緒方元長官らが乗じた、というのが特捜部の描く構図だ。

 確かにこれまでの経緯を見ると、緒方元長官の言動には不自然な点も少なくない。元長官は記者会見で「中央本部は在日の権利擁護の拠点。存続し続けることは日本の国益になる」「大義のために引き受けた」と正当性を強調した。しかし、元長官が会見で「出資予定者」と説明した男性については「1度だけ会ったが、名刺はもらわなかった。姓は分かるが、名は分からない」などと、常識では通らない弁明を重ねた。

 さらに、この男性は実際には代金を払うめどが最初からなかったという。捜査が始まった後、緒方元長官は「男性が金を出す意思を見せ、それを信じたことにしよう」と、元不動産会社社長や元銀行員と口裏合わせをしていたとされる。だとすれば、悪質な証拠隠滅行為と言わざるを得ない。

 特捜部の捜査は、毎日新聞の報道で最初にこの問題が明らかになってから、わずか半月で緒方元長官の逮捕にこぎ着ける急ピッチの展開だ。朝鮮総連を調査対象とする公安調査庁の元トップの関与に政府内の批判が高まる中、法務・検察が早急に決着を図ろうとする「組織防衛」の側面も感じられる。特捜部には、政治的な捜査と疑われることのないよう、事件の徹底解明を望みたい。

 被害者とされる元日弁連会長も含め、法曹界の重鎮が不透明な売買取引にかかわったことに、国民の司法への信頼は大きく揺らいだ。緒方元長官が事件に関与した動機は何か、これによって不当な利益を得ているのかなど、まだ不明な点はたくさんある。特捜部はそうした数々の疑問点を解明し、事件の全容を国民の前に明らかにしてほしい。

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『総連本部売買―元公安長官が詐欺容疑とは』(朝日社説)

 「本部は北朝鮮の大使館としての機能を持っている」と在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を守るようなことをいい、購入代金が集まらなかった時には「だまされたとは言いたくないが、乗せられた」と語っていた。

 その元公安調査庁長官の緒方重威弁護士が、朝鮮総連中央本部の土地と建物をだまし取ったという疑いで、東京地検に逮捕された。

 犯罪を摘発する検察官として、高検検事長まで上りつめた人物である。本人は否認しているが、詐欺容疑と聞いて、驚きとともに憤りを感じる。検察官の信頼を失墜させる事態だ。東京地検は捜査を尽くして、事件の全容を解明してもらいたい。

 一連の中央本部の売却問題は、発覚当初から驚きの連続だった。

 東京都千代田区にある中央本部の土地と建物の所有権が、投資顧問会社に移転登記されていた。その会社の代表取締役が、総連を調査対象としている公安庁のトップを務めた人物だった。

 さらに取引の内容にも疑惑が生じた。移転登記をしたにもかかわらず、購入代金は支払われていなかった。競売を逃れるための偽装売買の疑いが持たれた。

 元長官だけではない。売り手の朝鮮総連に加えて、総連の交渉窓口となった土屋公献・元日弁連会長にも疑惑の目が向けられた。

 ところが、検察の描いた事件の構図はまったく異なった。

 元長官と仲介役の不動産会社元社長らが「いい買い手が見つかった」と総連側にうその売買話を持ちかけて、土地と建物をだまし取ったというのだ。総連側は詐欺の被害者ということになる。

 朝鮮総連は在日朝鮮人系の朝銀信用組合から融資を受けた627億円の返済を求める訴訟を、整理回収機構から起こされていた。総連側は競売にかけられるのを避けるため、売却後も立ち退かずにすむことができる買い手を探していた。

 元長官らはそうした朝鮮総連の弱みにつけ込んだことなる。

 とはいえ、まだ謎がいくつも残る。

 もともと出資者がいなければ、総連に売買代金を払うことができず、だましたことはいずればれる。事件や法律に通じているはずの元長官がなぜ、そのようなことに手を染めたのか。

 総連側から元社長らに渡ったとされる約4億8000万円はどこに流れたのか。

 捜査の流れとは別に、朝鮮総連の苦境はいっそう深まっている。裁判の敗訴を受けて、整理回収機構から中央本部の土地と建物の競売を申し立てられた。

 朝鮮総連の象徴だった中央本部が立ち退かねばならない可能性が強まった。

 だが、もとはといえば、今回の事件も、朝鮮総連がなんとか居座ろうと無理を重ねたことが背景にある。

 ここは現実を認めて、新たな拠点を探し、出直した方がいい。

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緒方 重威緒方 重威さんは、日本の弁護士。元検事、元公安調査庁長官。早稲田大学第一法学部卒。 [続きを読む]

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