トウモロコシでバイオエタノールなど愚の骨頂
『エタノール普及で食料値上がり、ガソリン増も…米の報告書』(読売)
バイオエタノールのためにトウモロコシ。もったいない話ですね。しかもバイオエタノール含有ガソリンを使う車の燃費が悪くてガソリンを余計使うなど、愚の骨頂。これが温暖化対策でしょうか…
仮に温暖化が正しい、とします。だったら、CO2を確かに削減する対策を打つべき。温暖化対策と称するものが却ってCO2を増加させる例は(自治体の古紙回収やペットボトルリサイクルを始めとして)山のようにありますが、これもその典型でしょう。
バイオエタノールの材料には、まず食えない植物の茎や葉などが考えられます。しかし、セルロースは、牛や馬が飼い葉を食べる量を考えれば分かるとおり、カロリーが低い。従って、バイオエタノールを生産するためには実にたくさん必要なので、運ぶためのエネルギーを考えれば生産する意味がありません。
カロリーが高く食えないもの、と言えば残飯です。本来食べられるものを残飯にするのは実にもったいない話なのですが、せめてバイオエタノールにできないものでしょうか。もっとも、リサイクルを始めるとゴミの量が増えるという法則がありますから、こんなことを考えてはいけないのかも。
とにかく、食べ物の明らかな無駄遣いはやめろ!トヨウケ様が激怒なさること、確実ですよ。(トヨウケ様はもちろん伊勢の外宮の神様)
(続きは記事の保存です、当面はリンク先をご覧下さい)
【ワシントン=増満浩志】米国の政府監査院(GAO)は11日、ガソリンの代替としてエタノールを普及させる政策により、原料のトウモロコシが不足して食料価格を上昇させるほか、ガソリンの消費増加という皮肉な事態も招きかねないとする報告書を公表した。
報告書によると、ガソリンに混ぜる形で使うエタノールは2006年は49億ガロン(1ガロンは3・8リットル)だったが、12年には112億ガロンに増加。その生産に振り向けられるトウモロコシは、昨年は生産量全体の15%だったが、12年には30%を占める見込み。このため穀物価格が上昇し、家畜用飼料も高騰して、食料価格に影響を与えると懸念される。
一方、エタノールの割合が高い燃料を使える自動車の普及が図られているが、燃費は従来のガソリン車より悪い。このため、エタノールを含む燃料が割高だったり、供給設備が不足していたりすると、こうした車がガソリンを使用する結果、「かえってガソリンの消費量が増えかねない」と、報告書は警告している。
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コメント
そうですね。
ただし、休耕地に植えた植物を市場に出して相場を暴落させたりすることなく、飢饉のときに備えて、燃料化するのは今があると思いますよ。
食料っていくらでも食べられるものではないし、ないと困るので、いろいろな準備は大切でしょう。
投稿: ままだ | 2007年6月24日 (日) 14時23分
ままださま
コメント有り難うございます。
危機管理として、非常時は食糧、通常は燃料、ということですね。なるほど、大いに理があるご意見と思います。
ただ、政府の施策で休耕田にさせられたところの生産物は、市場原理にまかせるのではなく、自給率アップのための政策のためになんとか活用できないでしょうかねえ。自給率が圧倒的に低い中で、どんな事情にせよ国内で生産した食糧を燃料にするのは抵抗感があります。
以前「廃棄野菜の活用法を農水省は真剣に考えよ!」という記事を書いたことがありますが、廃棄野菜をそのまま土に鋤き込むのも野菜を単なる肥料に貶める愚挙ですね。
投稿: 練馬のんべ | 2007年6月24日 (日) 16時23分