法律で伝統を裁く愚
『能面など現物の分割所有命令、東京高裁』(産経)
のんべに能の世界のことはわかりませんが、裁判所にもわかるわけがありません。日本の伝統文化を近代法で裁こう、など無理に決まってます。
副宗家が裁判所に訴えたそうですが、それ自体ひどい間違いです。裁判になじまない問題です。近代法は伝統芸能という特殊な世界を想定していません。
裁判所としては、売却益の分割/持ち分分割の判決は仕方ないでしょうねえ。しかし、伝統芸能のために存在する工芸品を足して2で割ってどうするのですか。
こんなのはどうすべきか決まってます。藝で勝負です。同じ演目を演って、藝を競う。勝った方が継承する。それしかないでしょう。
まだ当初の売却益分割判決の方がましだったかも。いくらなんでも、売って散逸するということになれば、双方で話し合いになってどちらかに金を払っておしまいになったはず。
今回の分割判決は「現代が伝統を裁き破壊する」典型でした。
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『能面など現物の分割所有命令、東京高裁』(産経)
能楽シテ(主役)方5流派の一つ「喜多流」で受け継がれてきた能面と能衣装計211点の相続をめぐり、宗家側と副宗家側で現物を分割できるかが争われた訴訟の差し戻し後控訴審判決が17日、東京高裁であった。原田敏章裁判長は、ほぼ等分することを命じる判決を言い渡した。
原田裁判長は「両家の取得分の価格はほぼ等しいと考えられる」として副宗家側が示した分割案を採用。能面80点は両家が40点ずつ、能衣装類131点は宗家が67点、副宗家が64点を所有するよう命じた。
1、2審判決は「裁判所が能面、能衣装の価値を評価することは困難で現物の分割は不可能」と判断し競売による売却益の分割を命じていたが、最高裁は「現物分割は可能」として差し戻していた。
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