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2007年4月11日 (水)

珍しく朝日サマ社説に大賛成

子供の医療―医師の数を増やせ』(朝日4/10社説)

今回ばかりは朝日サマ社説に大いに同意します。このままでは産科と小児科は崩壊しますので、政府はまずは診療報酬体系に思い切って改定し、また、現場の意見を十分にくみ上げて対策を打つべきです。

(続きは記事の保存です、当面はリンク先をご覧下さい)

 月に当直8回。休日出勤6回。24時間以上の連続勤務が7回。それなのに、休みはたった2日だけだ。こんな過酷な勤務の果てに、東京の病院に勤める40代半ばの小児科医が自殺した。

 東京地裁は過労やストレスによるうつ病が自殺の原因だとして、労災の適用を認めた。その一方で、遺族が病院に求めた損害賠償訴訟では、別の裁判部が「業務はうつ病を発症させるほど重くはなかった」と訴えを退けた。同じ裁判所で判断が分かれた。

 しかし、勤務の実態を見れば、過労が自殺の引き金になったのは明らかではないだろうか。

 この医師が亡くなったのは8年前のことだ。その後、小児科医の不足は、産科医とともに一段と深刻になっている。

 少子化が進むなか、小児科や産科は将来の担い手を産み育てることを支える大切な役割だ。政府は早く思い切った手を打たねばならない。

 小児科は子ども相手のため、診療に手間がかかる。投薬や検査がそれほど多くないので、診療報酬が少ない。病院の小児科は赤字に悩み、医師を十分雇えない。小児科を廃止した病院も多い。

 小児科の医師がゆとりを持って働けるようにするためには、診療報酬をもっと手厚くする必要がある。そうすれば、非常勤や短時間勤務の医師を雇うことができる。医師の数がふえれば、休みも取りやすくなる。

 安倍首相は国会で、来年の診療報酬改定で小児科と産科の引き上げを検討すると答弁した。しかし、いまの深刻な実情を考えれば、来年といわず、ただちに手をつけてほしい。

 患者がいきなり病院に駆け込むような態勢も改めたい。まず地域の小児科医が診療にあたる。そのうえで、必要なら病院の専門医へ行く。こうした開業医と病院の連携を進めるべきだ。

 この30年間、小児科医は微増にとどまっている。医師の総数が増えていることを考えれば、小児科は新人医師から敬遠されているということだろう。

 たしかに、子どもの扱いは大人の患者以上に難しい。医療ミスに対し、親の目は厳しい。希望者が少ないのはわからないではない。

 しかし、勤務時間などの待遇を改善したうえで、新人医師を小児科に呼び込む手立てがないわけではない。たとえば、小児科の研修期間をもっと長くし、関心を持ってもらうようにしてはどうか。

 医師が足りず医療の現場が危機的になっているのは、小児科や産科だけではない。全体として医師は本当に足りているのか。改めて検証する必要がある。

 「自己犠牲に頼る今の制度が続けば、医療は崩壊すると思う」。自殺した父と同じ小児科医の道を志し、研修中の長女は判決の後、こう話している。

 この遺族の声に耳を傾け、悲劇を繰り返さないようにしたい。

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