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2007年4月11日 (水)

改正均等法の意義はなんなのか?

[改正均等法]「男女が共に働きやすい職場に」』(4/9読売社説)

これは一体なんでしょうか。

『厚生労働省令で間接差別としたのは、〈1〉身長、体重、体力を採用要件とする〈2〉転勤を総合職の採用要件とする〈3〉転勤経験を昇進の要件とする』

身長体重はホワイトカラーでは異論ありませんが、世の中そればかりではありません。転勤を採用要件から外したり昇進の要件としない、が必須となれば、転勤を受け入れる人は今より大幅に減ることは確かです。

転勤というのは非常に大きな負担です。単身赴任を余儀なくされるケースもある。家を買うと不思議に転勤する。拒否すれば退職させられたり昇進に響いたりするから泣く泣く従う、ということもあるでしょう。「家族がいちばん」の立場としては非常につらいものがあります。単身赴任はまことに嬉しくない。やっぱり夫婦親子一緒にいてこそ、と思います。

しかし、拒否の自由が認められれば、全国展開する会社にとっては致命傷です。

しかし、『業務の遂行などの上でどうしてもこれらの要件が欠かせない場合は、差別とは見なされない』そうです。うーん、わけわからん。業務遂行の上で必須でないのにこれらを要件とする会社などあるとは思えません。

多分、厚労省は形を作りたい。経営側は実質を取りたい。そこでの妥協の産物でしょう。こういうどうにでも取れる法律だと、解釈を巡る争いが絶えず、儲かるのは弁護士だけ、とならなければいいのですが…またジェンダーフリー連中が裏で闊歩したのかなあ…

(続きは記事の保存です、当面はリンク先をご覧下さい)

 改正された男女雇用機会均等法が、施行された。

 大きく変わったのは、「間接差別」の禁止だ。表面的にはそうと分かりにくいが、実質的には性差別となり得る一部の雇用上の措置を指す。

 法改正を受けて厚生労働省令で間接差別としたのは、〈1〉身長、体重、体力を採用要件とする〈2〉転勤を総合職の採用要件とする〈3〉転勤経験を昇進の要件とする、の3点だ。

 例えば、管理職の仕事をこなす上で転勤の経験が必ずしも必要ではないのに、転勤に応じられることが昇進の条件とされれば、子供を持って働く女性にとっては不利な条件となる。

 ただし、業務の遂行などの上でどうしてもこれらの要件が欠かせない場合は、差別とは見なされない。

 国連女性差別撤廃委員会も、間接差別の禁止を国内法に盛り込むよう日本政府に勧告していた。

 今回の改正の際、労組側には、コース別雇用制度による男女間の実質的な賃金格差や、家族手当の支給を世帯主に限ることなども、間接差別に含めるべきだとの主張が、根強くあった。

 一方、経営者側は、間接差別とは何かが日本ではまだ十分理解されておらず、対象が無制限に広がれば混乱が生じるとして、間接差別の禁止自体に、慎重な姿勢を見せていた。

 その結果、間接差別の具体的内容を3点に絞ることで、両者が折り合った。

 欧米諸国でも、問題とされる間接差別の具体的内容は様々だ。

 これら3要件以外の措置でも、訴訟になった場合に司法判断で間接差別として違法とされる可能性があることや、省令を機動的に見直していくことなどが、均等法改正の際の国会付帯決議に盛り込まれた。今後、問題があれば、必要な見直しをすればよい。

 今回の改正で、妊娠や出産などを理由とした不利な処遇の禁止内容も拡大された。例えば、降格や正社員からパートへの契約変更の強要なども禁止された。

 妊娠中、または出産後1年たたない女性の解雇は、会社が正当な理由を証明しない限り、無効となる。

 女性が出産後も、安心して働ける環境がより一層整えられた。一つの少子化対策ともなるだろう。

 一方、宴会での男性への「裸踊り」の強要はセクハラとなる。女性のみの採用募集などの男性差別も禁止された。

 均等法改正を機に、男女が共に働きやすい職場環境の整備を、さらに一歩進めていきたい。

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コメント

ある時まで子供の年齢と引っ越し回数が同じというくらい転勤続きだった我が家に、この省令は納得いきません。個人主義を貫く人や自己中心的な人は転勤拒否できるけど、「誰かが引き受けなくちゃ。」と和を大切にする人は拒否できないということになりますね。
本当に女性のことを慮ってくれるのであるなら転勤族の妻の待遇改善をお願いしたい。(笑)
転勤のたびに子供達の転校や学力維持のために多くの時間を費やし、いつ引っ越すかわからないとなると今後も再就職して安定的に働くことなど無理でしょう。だけど拒否したら誰かに責任を押しつけることになるから、それもできません。
正社員でバリバリ働き転勤は拒否できる女性は、ずいぶん優遇されているなぁ、と嫌みの一つも言いたくなります。

投稿: milesta | 2007年4月11日 (水) 14時01分

milestaさん
まさにその通りですねえ。私も転勤族のハシクレ、よーくわかります。

>本当に女性のことを慮ってくれるのであるなら
>転勤族の妻の待遇改善をお願いしたい。(笑)
ははは。フェミニストさん達ほど、女性に冷たい人たちはそういませんね。もちろん男性にも冷たい。「自分がいちばん」の人たちです。

>正社員でバリバリ働き転勤は拒否できる女性は、
>ずいぶん優遇されているなぁ、と嫌みの一つも…
ははは。そう思っている人が殆どでしょう。

ところで、今度の「改正」では、「女性労働者に対する差別の禁止」から「男女双方に対する差別の禁止」になります。ぼくも転勤拒否♪という男性が増えたらどうするんでしょうか(苦笑)

投稿: 練馬のんべ | 2007年4月11日 (水) 20時28分

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