高校日本史の山川教科書批判(その15)
久しぶりに再開します。と言っても今回含めあと2回でおしまい。
第12章 高度成長の時代
「1.55年体制」と「2.経済復興から高度成長へ」です。相変わらず左翼がお好きなようで…
1.55年体制
「冷戦構造の世界」という小節で、「中国は1964年に核実験を成功させ、1966年には「文化大革命」を開始した」とありますが、中国の核実験「成功」ですね。喜ばしいことみたい。文革が大失敗で大量の死者を出した話なども出てきません。ベトナム戦争は「アメリカは北ベトナムへの爆撃(北爆)をふくむ大規模な軍事介入をはじめ、北ベトナムと南ベトナム解放民族戦線は中ソの援助を得て抗戦した(ベトナム戦争)。」は一方的にアメリカが悪者で中ソが正義の味方みたいな書き方ですね。
その他はまあそんな酷い記述もなさそうです…と思ったら、最後に「革新政党を批判する学生を中心に組織された新左翼が、ベトナム戦争や大学のあり方などに異議をとなえる運動をくり広げた」…なんだか新左翼はまともな政治勢力みたいです。
要するに連合赤軍などの過激派・テロリストであり、ハイジャック・「総括」(リンチ大量殺人)・浅間山荘事件を起こした集団なのに、そんなことは一言も書かれていません。(写真はあさま山荘)
ついでながら、日韓関係では「植民地時代」ですね。第9回で書いた通り、ちっとも「植民地」ではなかったのに…
2.経済復興から高度成長へ
この節はまあまあです。ついでながら、のんべが産まれたのは東京オリンピックの前年です。ですので東京オリンピックは全く知りませんが、大阪万博は行って、ずいぶん並んだことだけ覚えています。(写真は東京五輪開会式の日本選手団)
革新自治体については非常に好意的ですね。「福祉政策に成果をあげた」そうです。もっとも、後の章では「放漫財政で…」とあるのでそんなに不公平でもありません。
今日はここまで、さあ、次回はやっと最終回。次回は「第13章 激動する世界と日本」で「1.経済大国への道」「2.冷戦終結と日本社会の動揺」です。
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