危険を危険と感じることが大事
パロマだけでなく、リンナイのガス器具でも何名かが亡くなっていたとか。合掌。
新聞は、危機意識が足りないとか、創業者一族に何も言えなかったとか、勝手なことをいろいろ書きます。でも、本質は別の処にあると思います。
それは、不完全燃焼で死亡事故が起こるなど、昔は当たり前だった、ということ。ガス器具会社の社長や役員など、昔からいる人から見れば、換気しない方が悪い、くらいのものでしょう。そして、それが通用しない世の中になった、ということです。企業として言い訳できることではありません。
しかし、消費者側に、安全で当たり前、注意なんかいらない、という考えが蔓延していないでしょうか。いわゆる思考停止です。
昔、ガスなどを使うときは、一酸化炭素中毒のおそれがあるから、30分に1回は窓を開けて換気をしなさい、と教わったものです。
保存した食べ物はにおいをかいで食べられるかどうか判断する。子供は鉛筆を削るのにナイフを使って何度か手を切って使い方を覚える。昔は危険が隣り合わせが当たり前で、その危険を察知して生きる能力があったはずです。
今、なんでも安全が当たり前。それでは危険を察知する能力は育ちません。危険の種はそこら中に転がっているものです。機械は故障する、人間は間違える、という当たり前のことを忘れたときに、事故は起きます。
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コメント
練馬のんべさんの書かれている通りですね。今や装置産業では、「人間は間違えて当たり前」という思想の元に「フェイルセーフ」などという、「間違っても安全なような安全措置を施す」などといった、とても難しいことを押し付けられます。勿論、それが出来れば良いですが、それでも100%の安全を求めるのは無理です。やはり基本は、「自分の身は自分で守る」ですね。
投稿: パンプキン | 2007年2月13日 (火) 22時09分
パンプキンさん
フェイルセーフという思想は正しいと思います。機械を設計し作る上では、人は間違えるもの、と考えるのが当然でしょう。もちろん、設計思想として正しい、ということで、完璧など求め得るはずもありません。想像を絶する間違え方をする人は多いので…
使う人は、機械だって間違えたり故障したりするもの、という心構えは絶対必要ですね。機械だって、人が設計して作ったものです。
投稿: 練馬のんべ | 2007年2月13日 (火) 23時53分
練馬のんべ様、はじめまして。
社会時事ブログを探していて、ここに出会い、何度か拝見させていただいている者です。
実に明快明瞭。
本質を突かれていて、納得のお話ばかりです。
今回の給湯器に限らず、少し前に問題として持ち上がったシュレッダーの事故など、挙げればキリがないですが、昨今の『思考停止』には、呆れ返るばかり。
物理的な事象ばかりでなく、何にでもその傾向は窺えます。
何とか歯車を戻したいと考える毎日ですが、それは夢物語なのでしょうか。
実に難しい世の中になったものです・・・。
また拝見させていただきますね。
投稿: KEI | 2007年2月14日 (水) 00時10分
KEI様
過分なお褒め、恐縮至極です。
思考停止、他人任せでお気楽な人が増えてしまいました。後で痛い目にあうのは自分なんですがね。
今後ともよろしくお願い致します。
投稿: 練馬のんべ | 2007年2月14日 (水) 00時23分