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2007年1月18日 (木)

高校日本史の山川教科書批判(その14)

次はいよいよ現代史。
第11章「占領下の日本」は以下の2節。
1.占領と改革
2.冷戦の開始と講和

まず、「1.占領と改革」、これは問題多々です。

Paruhakase 例によって東京裁判あたりから見ていくのですかね。例によってA級戦犯などと書かれていますが、事後法による裁判であり、証拠不十分の中で行われた単なる復讐劇であることは一切書いておらず(パル博士やレーリング判事が反対意見を書いたことには言及されている)一方的に東京裁判を肯定する立場で書かれているのは問題です。(写真は靖國神社遊就館前のパール博士の碑、碑文は文末記載)

天皇制、という言葉は、元々コミンテルンが使い出した言葉。これを平気で教科書で使う神経もわかりません。

Shouwa_tennnou そして、戦後の天皇陛下ご巡幸については、ご巡幸のお陰でどれだけの国民が希望を持てたか、ということを考えれば戦後日本史上で最重要な事柄なのに、完全に無視。ご巡幸が記載されていないものは、「歴史の教科書」とは言えません。(写真は昭和天皇陛下と香淳皇后陛下)

日本国憲法についても『画期的なもの』と評価し、『GHQのスタッフは…先進的憲法を作る意気込みで作業を進めた』などと書いています。
でも、国際法(ハーグ陸戦条約第43条)では、
「国の権力が事実上占領者の手に移ったときは、占領者は絶対的な支障がない限り、占領した国の現行法律を尊重しなければならない」
とあるので、明らかな国際法違反なんですけど、そんなことは無視です。

「2.冷戦の開始と講和」は、案外まとも。朝鮮戦争は「北朝鮮が、武力統一を目指して北緯38度線を越えて韓国に侵攻し、朝鮮戦争が始まった」などですし、サンフランシスコ平和条約についても全面講和が正しい、などという表現にはなっていません。

3日続きですので、今日はこれくらい。残るは
第12章 高度成長の時代
1.55年体制
2.経済復興から高度成長へ
第13章 激動する世界と日本
1.経済大国への道
2.冷戦終結と日本社会の動揺
です。あと少し!

--パール博士碑文、判決文より--
時が熱狂と偏見とを
やわらげた暁には
また理性が虚偽から
その仮面を剥ぎとった暁には
その時こそ正義の女神は
その秤を平衡に保ちながら
過去の賞罰の多くに
そのところを変えることを
要求するであろう

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コメント

私は高校時代「日本史」「世界史」とも山川のものでした。
近現代史は入試にあまり関係ない人は殆ど勉強しなかったように覚えています(私は地理選択でした)。

昔は教科書の後半については先生方もプリントを配ったりして適当にごまかしていた(苦笑)なので、私は当時の内容を全く覚えておりません。
現在はどうなんでしょうか?
入試問題には近現代史はよく見られるようになったと思いますが、授業は如何なものでしょうかね?

投稿: 憲史朗 | 2007年1月18日 (木) 21時48分

憲史朗さん
そうそう、近現代史になると授業時間が足りなくなってはしょるというのは平家の昔(ホラ)からの定番ですね。どうせまともに読まないと思って無茶苦茶書いているんですかね(苦笑)

投稿: 練馬のんべ | 2007年1月18日 (木) 22時06分

のんべさま、その代わり「政治経済」「倫理」「現代社会」の内容がやや変更的になっているような気がしています。
一度本屋さんで参考書などを手にとって見てください。
特に倫理・現代社会は・・・

投稿: 憲史朗 | 2007年1月18日 (木) 22時19分

憲史朗さん
酷い教科書は多いですね。この教科書に中ったらしくいささか気分的に疲れ気味ですので、少し落ち着いたら今度見てみます。

投稿: 練馬のんべ | 2007年1月18日 (木) 23時02分

無理せんといて下さいね!

投稿: 憲史朗 | 2007年1月19日 (金) 21時56分

憲史朗さん
ありがとうございます。まあ、ぼちぼち。

投稿: 練馬のんべ | 2007年1月20日 (土) 07時27分

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