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2006年12月 2日 (土)

高校日本史の山川教科書批判(その11)

次は第10章「近代日本とアジア」を取り上げます。なお、今回は明成社版もあてにならない…例の近隣諸国条項のお陰で検閲を喰らっているはず…ので、「Q&A近現代史の必須知識」(PHP、水野靖夫著、渡部昇一監修)も参考にしました。

1.第一次世界大戦と日本
2.ワシントン体制
3.市民文化

1の中に「日本の中国進出」という節があり、例によって対支21ヵ条要求が出てきますが、中国に置ける権益の拡大を目指したというレベル、案外表現が穏やかです。もっと「侵略」の象徴のような過激な表現かと思いました。

アメリカとの石井ランシング協定は、『中国の領土保全・門戸開放と日本の中国に置ける特殊権益の承認を確認しあった』そうです。明成社版も似たような表現。門戸開放ってずいぶん良さげな言葉ですが、お互い特殊権益を認め合っただけのことです。

2では、3・1独立運動がでかでかと出てきます。『この運動はおおむね平和的・非暴力的なものだったが、朝鮮総督府が憲兵・軍隊を動員して厳しく弾圧した』と。警察・村役場の打ち壊し、学校の焼き討ち、巡査殺害などが行われたことは書いていませんし、この事件で「有罪になったものがわずか37名で最も重い主犯でも懲役3年にしかならなかったことも全く無視、3・1独立運動の首謀者が後に熱烈な日本の愛国者になったことも無視です。まあ、これは「近隣諸国」が一番気にしているところ、「条項」がある以上この記述は出版社としてはしゃあないでしょう。早く条項を削除しないといけません。

ワシントン会議は「東アジアにおける日本の膨張を押さえることにあった」だそうですが、「押さえる」主語は米英、やっぱり日本の教科書とは思えない記述です。

幣原外交=協調外交が軟弱外交と非難されたことは無視されています。これを書くと、蒋介石の北伐で南京事件が起こり、日本の領事館なども略奪されたのに日本が無抵抗を守ったことを書く必要が出てくるためと思われます。これは明成社には載っています。

市民文化は、文学や演劇の紹介がなんとなくプロレタリア・マルクスっぽい雰囲気が強いですね。明成社は子供向けの赤い鳥やアララギ派の斎藤茂吉も載っていてバランスが取れています。また、職業婦人の例はタイピスト・電話交換手、明成社版はバスガール・電話交換手。明成社版の勝ち、バスガールの方がおしゃれ。

今回は案外反日は目立ちませんでした(私もお疲れ気味のせいか)が、近隣諸国条項の毒はさりげなくまぶされていました。次回はどこまで行けるでしょうか。4.恐慌の時代、5.軍部の台頭、6.第二次世界大戦、ですから、6まではいけないだろうなあ…

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