高市大臣、冷静に、そして猛省を
『高市少子化相、下村副長官の子育て関連発言に反発』(asahi.com)
『「女性が仕事を続けられないことを理由に子供を産めない、という話になったらとても残念だ」
高市少子化担当相は7日の記者会見で、下村博文官房副長官の母親による子育てに触れた発言に反論した。』
前回の記事で「思い切った発言」と書いたのはこういう批判の嵐になる(特にフェミのみなさまここぞとばかり、かと)だろうという予想からですが、よもや高市少子化担当相から飛んでくるとは…
『下村副長官は5日、静岡県熱海市内の自民党主催の会合で、0歳児を保育所に預けて働く母親について「無理に働かなくても、家庭で教育をやって、きちっと子どもを育てていく方向に移っていくのが本来は望ましい」と語った。その上で、保育所の待機児童解消を目指す政策の見直しに言及し、「人間社会の原点の家庭を再構築していく政策」の必要性を訴えた。
高市氏は「新聞報道でしか拝見していない」と前置きした上で「女性も生活のために働いている人もいる、歯を食いしばってキャリアを確立したい人もいる。いろいろな暮らし方がある中で一律に決められる問題ではない」とくぎを刺した。
一方、下村氏は7日、記者団に「一定期間、育児をした後で職場に復帰できるシステムを作るべきだという趣旨の発言だ」と説明した。』
0歳児の子供がいるのに働こう、というのはハッキリ言って間違っています。(私も批判は覚悟の上)
いくらなんでも0歳児は24時間母親に愛される絶対の権利があるはず。キャリアと比較できる問題ではありません。また、生活のために…という点では、生活のために…とならないような政策が必要、というのが下村氏の趣旨ではないでしょうか。
高市さんは確かお子さんがいらっしゃらない(間違っていたらごめんなさい)。0歳児の育児がどれだけ大切でそして無茶苦茶大変なことか、身には染みていないのは仕方ないけど…
milestaさんから以前コメント頂いた、「無理矢理家庭と仕事の両立を強いるより、自然に子育てに専念して、その後再就職という道」、下村氏は今回は「育児後に職場に復帰できるシステム」と言っていますが、これが実に大切と思います。これができていないから「歯を食いしばってキャリアを確立」ということになるのです。「歯を食いしば」らずに子育てでき、その後にキャリアを確立できるシステムを作ることこそ、真の男女共同参画であり、少子化対策というものではないでしょうか。
高市大臣には冷静になっていただき、そして猛省を促したいと思います。
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コメント
私ものんべさんの意見に賛成です。まだ子供が3歳にならない内は特に母親の愛情が不可欠です。3歳までの教育がその後のその子供の成長に多大な影響を与えるのだ、と「真っ当な日本人の育て方」という本に書いてありました。母親が頑張って働かなければいけないのはそれなりの理由があるからで、0歳児の子供がいるのに子供をほったらかして仕事に専念する母親なんていないでしょう。みんな何らかの生活的苦労があって働いているのでしょうから、その辺のバックアップが国としてどう対処するのか、そこが政治家の責任であり任務なのではないかと思います。子育て再就職もしかり、子持ち家庭に対する資金援助など、やってもよさそうなことはたくさんあるはずです。またそれは企業側の理解と努力も不可欠です。下村さんも悪気があってそういう発言をしたわけではないのですから、ちょっと大目に見てやってもいいのではないでしょうか。
投稿: かついち | 2006年11月 8日 (水) 08時21分
少なくとも3歳までは親(とくに母親)が24時間べったりじゃないとダメな気がします。理由は言えないんですけど、動物的な勘のようなものでそう感じています。子育てした実感です。
ところで、子育て支援を考える上での国のバックアップについてはフランスの制度を見習うべきだと思っています。フランスを見習えば現政府が言う「小さな政府」はなんか方向性が違うぞと下村さんも気づくと思います。
投稿: とよあしはら | 2006年11月 8日 (水) 16時23分
かついちさん
いわゆる三歳児神話は否定された、というのがフェミのみなさまのお得意の説ですね。三歳児まで親が一緒にいないとよくない、という説は統計的に確実(=95%確実)とは言えない、という事実を、否定にみなしてしまう。明らかなインチキですね。
育児休暇を取ると、給料0になるのが殆どですから、生活レベルを落とさないためには休めない、という女性も多いと思います。その点は考えないと。「自己責任で子供を生んだのだから勝手にせよ」というような制度はどう考えてもおかしい。
投稿: 練馬のんべ | 2006年11月 8日 (水) 20時38分
とよあしはらさん
うちのちびたちは小4、小1、幼稚園年中ですが、去年一番下が幼稚園年少組に入るまではかみさんは24時間つきっきり、という感じで大変、それが7年続いたはずです。母親は本当に大変です。でも、その大変さが一番面白い。私もずいぶんちびどもの世話しました(過去形ではない)。
フランスの制度はよく知らないのでコメントを差し控えますが、小さな政府を目指せばいい、というものではないことはおおいに賛成。政府が支出を削るとき、役人の給料や役得には手を付けず、負担は納税者に押しつける、というのが決まりですし…
投稿: 練馬のんべ | 2006年11月 8日 (水) 20時49分
基礎給付が月約2万5千円が3年間。保育士費用補助が6歳まで月約2万円。20歳以下の子供が2人以上いる場合毎月2万円弱、3人で4万円弱、4人だと7万円弱の手当てが全家庭に給付。他に公共施設や国鉄などの大家族割引(3割から8割引)制度等の補助制度もあります。
上記手当てだけでも毎月数万円を3年間給付されるわけですが、フランスの場合15万もあれば清潔なアパートに住み、車を所有し、子供を学校(大学)にやれることが可能なことを考えると、旦那が働いていれば十分な金額です。
特筆すべきはこれらの手当てが貧困者対策のためではなく高収入でない中流(普通の家庭)であれば一般的に受給できると言うことです。国民が社会保障を受ける権利を法の下で平等に保証している本当の法治国家です。
全国民にこれだけの保証を確約しているのですから、フランスは大きな政府でなければ不可能ですね(財源の話はナシということで)。
投稿: とよあしはら | 2006年11月 8日 (水) 23時34分
とよあしはらさま
ありがとうございました。すごい数字ですね。
(すんません、そろそろ出社時間…)
投稿: 練馬のんべ | 2006年11月 9日 (木) 07時51分
書き忘れましたが、労働者の育児休暇等の権利行使が法律で厳格に保証されていることは言うまでもありません。
投稿: とよあしはら | 2006年11月 9日 (木) 09時27分
とよあしはらさん
いい悪いはすぐには判断つかないけど、すごい制度ですね。
投稿: 練馬のんべ | 2006年11月 9日 (木) 22時04分