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2006年11月16日 (木)

高校日本史の山川教科書批判(その6)

やっと第3部・近世。今回は第6章「幕藩体制の確立」です。徳川幕府は鎖国していたから安心かな、と思った私は間抜けでした(苦笑)。

第6章
1.織豊政権
2.桃山文化
3.幕藩体制の成立

Toyokuni_jinja 1.織豊政権、と言えば功名が辻。(写真は京都・豊国神社、祭神は秀吉公、旧別格官幣社)毎週見ていればだいたいの流れはわかるので教科書など読まずとも、だから記述なんて薄かろう…とつまらんことを思っていたら、泰平の眠りを覚ます上喜撰。すごい小見出しがありました。

『秀吉の対外政策と朝鮮侵略』

おいおい、侵略かよ…先日、とよあしはらさんから「「襲来」という記述では元の侵略性を薄められる…近代史では「日本軍の侵略」と教えている」というご指摘を受け、「近現代史で「侵略」「侵攻」などの文字を使われていないようです」とお答えしたのですが、近現代ではなく近世に落とし穴があろうとは…とよあしはらさん、申し訳有りませんでした。→近現代でも本文以外のところにありました。それはその時に紹介します。油断も隙もありません、困ったもんです。

秀吉は、本書の記述では『朝鮮にたいし入貢と明へ出兵するための先導を求めた。朝鮮がこれを拒否すると…大群を朝鮮に派兵した』というわけで、朝鮮「侵略」の意図は薄い。朝鮮を占拠しても大していいことはないと思っていたのでしょう。

『前後7年におよぶ日本軍の朝鮮侵略は、朝鮮の人びとを戦火にまき込み、多くの被害を与えた。』

迷惑をかけた、謝れといいたげです。朝鮮半島は日本に「侵略」されていない時代だってシナに荒らされてばかりだし、だいたい明の朝鮮支援軍が駆けつけたときには、李氏朝鮮の支配に悲鳴を上げていた朝鮮の奴婢により秀吉軍の入城前に景福宮は灰燼になっており、秀吉軍を解放軍として迎え、奴婢の身分台帳を保管していた掌隷院に火を放った、などということには触れられていません。

近代以前に「侵略」という文字は似合いません。侵略戦争・自衛戦争という概念ができた近代の話です。したがって、「元の襲来」という表現に賛成していたのですけど、こんなところで使っているとは…昔の教科書では
『前後7年にわたる出兵は、対外的には朝鮮や明の反抗をうけ、対内的には…』
こんな表現で十分です。ちなみに、明成社版は
『朝鮮出兵は、いたずらに関係国の疲弊をまねき、戦場となった朝鮮に大きな損害をあたえ、豊臣氏の滅亡や明の衰退をまねいた。』
明の衰退まで言及するとはちょっとびっくり。さらに欄外には
『近年、ポルトガルやイスパニアは明を征服しようとしていたのを察知した秀吉が、かれらの野望をくじくためにおこなったという説が出されている』
だそうです。すごい説で、ここまで書くか…?

2.桃山文化、について、朝鮮出兵時に日本に連れ帰った朝鮮人陶工により唐津焼などが始まったことが全くかかれていないのは何故?と思ったら3.幕藩体制の成立にありました。

Sansa_honnnouji もうひとつ、これはやつあたりに近いけど…。本因坊算砂や大橋宗桂が出ていないのは囲碁将棋ファンとしては許し難い。旧版にも、明成社版にも載っています。(写真は算砂-利玄の三劫の局と言われる碁。光秀に攻められる前夜の本能寺にて信長の御前で打たれた碁、三劫=不吉の由来。しかし既に白(算砂)の勝勢は動かし難く、三劫も発生しそうにない。)

3.幕藩体制の成立、にもすごい文が。

『強力な領主権を持つ将軍と大名(幕府と藩)が土地と人民を統治する支配体制を幕藩体制という。』

マルクス史の教科書と見まごうばかり。人民、ねえ。日本中の人民が一揆で反抗して革命でも起こすのですかねえ。江戸時代は島原の乱以降は平和なんですけどね。
ここまで書くのだったら、唐津焼始まりの話、強制連行とでも書いてないかと期待?しましたが、朝鮮人陶工連れ帰り、でした。ほっ。
ところで、
有田焼、薩摩焼、萩焼、平戸焼、高取焼が載っていてなぜ唐津焼がないのでしょうか?なにか理由があるのでしょうが、私にはわかりません。これは旧版、明成社もほぼ同じです。

それにしてもすごい記述でした。トホホ…

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