敬語の分類を変にいじるな!
『謙譲語の定義から「へりくだる」消滅』(SankeiWeb)
『文化審議会国語分科会は23日、敬語の分類を尊敬・謙譲・丁寧の3分類から5分類に変更する敬語小委員会の「敬語の指針案」をおおむね了承した。指針案では敬語の分類として「お酒」「お料理」などの美化語を追加。謙譲語については、「自分側から相手側に向かう行為などについて向かう先の人物を立てる」表現を謙譲語I、「自分側の行為を丁重に述べる」表現を謙譲語II(丁重語)と細分化した。
謙譲語の一般的な定義は「自分側がへりくだることで相手側への敬意を示す」とされるが、新定義から「へりくだる」などの文言は消えた。教育現場などで混乱をきたす可能性もありそうだ。
指針案は11月上旬に公開される。文化審では、国民の意見を取り入れながら修正を加え、来年2月に文部科学相に答申する方針。』
自分側から相手側に向かう行為などについて向かう先の人物を立てる、ですか。まず、その説明文自体が分かりにくい表現、全く美しくない日本語ですが、それは気にしないことにしても、それ、やっぱり変です。
自分のする行為では相手はあがりません。相手の行為を持ち上げる(尊敬語)か、相手を直接持ち上げる(敬語表現というより「よいしょ」「おべんちゃら」)です。敬語表現だけではなく、もっと言葉全体で持ち上げないとたてることにはなりません。
自分のする行為に関する言葉だけで相手を相対的に上げるためにはやっぱり「へりくだる」しかないわけです。
文化審議会の方々は、きっととても優秀で偉い方々なのでしょうね。だから、自分がへりくだることがないのかも知れません。私のようなしがない下々の者は、口に糊するため毎日へりくだってばかりなのになあ。羨ましいかぎりです。
ひょっとして、最近日本の首相が中共サマなどに無意味にへりくだるのをやめたので、へりくだるという行為自体なくなった、と思ってるのかも。小泉前首相と安部首相のせいですか。日本人同士ではへりくだる行為の意味は阿吽の呼吸でわかるけど、外国には通用しないのだから、当たり前なんですけどねえ…
冗談はともかく、前も書いた通り、実態にちっともそぐわない敬語の分類変更には絶対反対です。わかりにくいだけです。それより、とにかく敬語用法を子供達に徹底して教え込むべきです。
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コメント
ずいぶんややっこしいことを決めるものですね。自分に対する行為を丁重に述べる、って日本語としてどうなのかな?と思いました。相手に対して敬意を表するから敬語なのであって、わざわざ自分の行為に対して丁寧語を定義化することはないと思いますが。自分に丁寧語を使う必要もなければ自分を尊敬の対象に持ち上げることもないでしょうに。それは日本の伝統文化に照らし合わせてもおかしい。そんなややっこしい定義など必要ないです。誰が考えたのでしょうか。
投稿: かついち | 2006年10月25日 (水) 08時07分
かついちさん
わけわからないですよね。これで子供に教えられたらたまったもんじゃない。困ったもんです。国民の意見を採り入れるとあるので、パブリックコメントの募集が行われるはず、せいぜい反対の意見を投書しましょう。
投稿: 練馬のんべ | 2006年10月25日 (水) 18時35分
こんばんは。
私もこのニュースを見て、どうして「へりくだる」を無くすんだろう?と不思議でした。「へりくだる」とすれば、一言で済み、とてもわかりやすいのに。
練馬のんべさんの冗談の部分はおもしろいけど(笑いました)、無くしたい本当の理由って何なのでしょうね。全くわけがわかりません。
投稿: milesta | 2006年10月25日 (水) 21時44分
milestaさん
冗談をお褒めいただき有り難うございます(笑)。
ほんとうに理由はわかりません。おエラい人たちの考えることは不思議ですね。困ったもんだ
投稿: 練馬のんべ | 2006年10月25日 (水) 23時25分
お偉いさん方は、我々一般庶民と頭の出来が違うんでしょうね。思考回路が違うというか(笑)そういう独創性をもっと別のことで発揮すればいいのになぁ~と皮肉たっぷりに申し上げたいと思います。
投稿: かついち | 2006年10月26日 (木) 11時30分
かついちさん
賛成!(笑)
投稿: 練馬のんべ | 2006年10月26日 (木) 19時27分