読売の社説に大いに感心
10/15と16の読売新聞社説、産経よりよほど正論。驚きました。コメントもないので、そのまま引用します。朝日サマは激怒しましょう。
--10/16社説------
『[『慰安婦』決議案]日本政府はきちんと反論せよ』
こんな問題の多い決議案を放置すれば、日米関係に禍根が残る。日本政府はきちんと反論すべきである。
米下院の国際関係委員会が、いわゆる従軍慰安婦問題で日本非難決議案を議決した。
決議案は、「20万人もの女性が性奴隷にされた」「家から拉致され……性的な強制労働につかされた」などと、裏付けのない記述が数多く含まれている。
慰安婦問題は1990年代初頭、一部全国紙が、戦時勤労動員制度の「女子挺身(ていしん)隊」を“慰安婦狩り”だったと、歴史を捏造(ねつぞう)して報道したことから、日韓間の外交問題に発展した。
当時、「慰安婦狩りに従事した」と名乗り出た日本人もいて、これも「強制連行」の根拠とされた。だが、この証言は作り話だった。90年代半ばには、学術レベルでは「強制連行」はなかったことで決着がついた問題だ。
にもかかわらず、96年の国連人権小委員会報告書や今回の決議案のように、事実誤認や悪意に満ちた日本批判が繰り返されるのは、日本政府が毅然(きぜん)と反論してこなかったためである。
米下院委員会で議決されたのは初めてだ。外務省は何をしていたのか。本会議上程阻止が最優先だが、二度と失態を繰り返さぬようにすべきだ。
決議案には、「慰安婦の悲劇は20世紀で最大の人身売買」など、歴史認識へのバランス感覚を欠いた表現も目立つ。
第2次大戦中、ドイツは占領地域で組織的な“女性狩り”をしていた。にもかかわらず、米議会がこれを一度も問題にしていないのは、なぜか。
占領下の日本には、占領軍将兵専用の慰安婦施設があった。もとは占領軍将兵の性暴力を恐れた日本側の主導でできたものだが、占領軍の命令で設置された施設もあった。決議案に賛成した議員たちは、こうした事例も精査したのか。
慰安婦問題が混乱する原因は、93年の河野洋平官房長官談話にある。
河野談話は、確かな1次資料もないまま、官憲による慰安婦の「強制連行」を認めたかのような叙述を含む内容になっている。以後、「日本が強制連行を認めた」と喧伝(けんでん)される材料に利用された。
河野談話について、安倍首相は国会答弁で、継承する意向を表明した。同時に、「狭義の意味での強制性は事実を裏付けるものはない」とも指摘した。
狭義の強制性、つまり、官憲による「強制連行」がなかったことは確かではないか。首相はこう言いたいのだろう。
事実誤認や歴史の“捏造”まで、「継承」する必要がないのは当然である。
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--10/15社説------
『[『北』制裁]日本の安全を損ねる憲法解釈』
北朝鮮の核武装という事態に直面して、日本の安全を守る上で、憲法解釈が障害になっているのではないか。
安倍首相が言うように、最も深刻な脅威にさらされているのは日本だ。国連安全保障理事会が、船舶検査も含む制裁決議をすれば、日本としても最善を尽くすのは当然だ。シーファー駐日米大使に言われるまでもなく「意味ある貢献」をしなければならない。
それには、やはり、「持っているが、行使できない」とされる集団的自衛権の解釈を変えねばなるまい。武器使用の基準も全面的に見直す必要がある。
船舶検査が実施されれば、その主体は米軍だろう。政府は、周辺事態法の発動による給油など米軍への後方支援や、船舶検査法に基づく周辺事態に際しての船舶検査などを検討している、という。
だが、例えば、船舶検査の際に、相手の船舶に米艦船が攻撃された場合、仮に海上自衛隊の艦船がすぐ近くにいても、何もできない。海自艦船が米艦船を守るために相手船舶を攻撃すれば、集団的自衛権の行使と見なされるからだ。
こんなことが起きれば、日米同盟の信頼性は一気に崩れてしまう。日本の平和と安全を守れるはずもない。
しかも、周辺事態法は、米国への後方支援を定めた法律で、現状では、米国以外の艦船には、海自による給油などの支援はできない。無論、相手船舶の攻撃があっても、助けることはできない。
安倍首相は、国会などで「いかなる場合が憲法で禁止されている集団的自衛権の行使に当たるのか、個別具体的な事例に即して研究する」と繰り返し言明している。同盟の信頼性を高めるために、当然、必要なことだ。
だが、今、国際社会が北朝鮮への制裁に踏み切ろうとし、日米が共同で対処しなければならない局面が現実になろうとしている時だ。「研究」などと、悠長に構えている場合ではあるまい。
船舶検査法に基づいて船舶検査を実施しても、実効性には疑問がある。停船させるための警告射撃も、拿捕(だほ)もできず、強制力がないからだ。相手船舶が停船せず、乗船しての検査や航路の変更に応じなければ、単に追尾するしかない。
これでは、日本が船舶検査に参加しても、他国の足手まといになるだけだ。
警告射撃もできないのは、憲法が禁じる武力による威嚇や武力行使に当たるとの理由からだ。国際常識から外れた考え方だ。武器使用の問題として、適切な使用基準を考えるべきではないか。
現実にそぐわない憲法解釈に固執すべきではない。
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