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2006年9月18日 (月)

男尊女卑論の対立点整理

日本は男尊女卑か?でご登場頂いたぴかちゅうさま(以下、ぴか様)と練馬のんべ(以下、のんべ)を比べると、非常に対照的なのが面白いので、少し整理してみます。

「進歩派」リベラル・日本国憲法賛成派
  vs
がちがち保守・日本国憲法反対派

というレッテルでも貼っておきますか。
いいとか悪いとかの価値判断をするわけではなく(当事者が価値判断をするのは反則)比べてみました。
ひとつの典型とも思えます。


<家に関する見方>
ぴか様
「日本においても家制度がなくなってきて社会として少しずつは進歩」
のんべ
「家族がいちばん」(注)
みるからに個人主義vs家族主義。

<天皇の存在の拠り所>
ぴか様
「皇室のあり方については全国民の総意で廃止することにしてもいい…廃止論者」
のんべ
「陛下は日本の家長様」
「日本国憲法により定められた存在優位」vs「伝統によりはるか昔から日本の柱としての存在優位」とも言えます。

<皇室のあり方は民主的に決めるべきことか>
ぴか様
「皇室のあり方を皇室の方にだけ決めていただくのはおかしい」
のんべ
「天皇家の家法について、我々下々の者が口を出すこと自体が不敬な話です。ただ、おかしなことに、現行の法体系上は憲法の下にある」
皇室典範が憲法の下にあることの是非とも言えます。「それが正しい」vs「天皇家の家法」

<皇室を養っている、という考え方の是非>
ぴか様
「国民は皇室で使う経費の分も税金を払っている」
のんべ
「不敬千万な言い方ですが、祭祀面を抜いて世俗的な部分に限っても「費用対効果で最も働きの良い公務員」」

<女性・女系天皇の是非>
ぴか様
「祭祀的なことも過去に女性天皇が存在した以上、問題はクリアできるはず」
「要は女性天皇が結婚してできたお子さんに継承させることについての価値観の問題」
のんべ
「女性天皇が在位中結婚も出産もしたことはありません。おそらく、出産の大業と天皇の激務は両立しません。…女性天皇の可否は、皇室に決めて頂くしかない」
「伝統に反するとしか言いようがありません。そして、これも最後は皇室でお決め頂くよりないこと。」
皇室廃止論→女性・女系天皇OK、に対し、皇室崇敬→女性・女系天皇不可、という対立図式です

<天皇の退位の可否>
ぴか様
「天皇は…退位されてもいい」
のんべ
「亡くなるまで退位できません。」
実はここだけ意見が逆転気味。

<男尊女卑について>
ぴか様
「日本が男女平等という点の到達点が先進国の中でも低いのは国連などの国際的なあらゆる指標ではっきり…正規職員で20年以上働いてきましたが、賃金面でもいろいろな面で差別」
のんべ
「日本の男尊女卑は「サラリーマンの職場」に関する限りはその通り…どの家庭でも女性が財布を握っていますし、どうみても女性の方がいきいきしていますし、だいいち女性が長生き。」
男女平等について、ぴか様は職場における男性優位を主に主張しているのに対し、のんべは夫妻間の力関係や生活面での女性優位を主張しています。

※「家族がいちばん♪」という殆ど同じタイトルのブログがあります。♪の有無だけ(私が気づかずに同じタイトルで作った…大変失礼しました)。懸命にかつ愉しく子育てをなさっている兼業主婦の奥様のブログで、私はその苦労と愉しみに共感しています。個人主義を主張なさるのはよいけど、このタイトルにはあまりびっくりしないでほしいなあ。このタイトルで皇室や靖國を論じるのに驚く、というならわかりますが。

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コメント

「家族がいちばん」という考えに違和感を抱く人は心の貧しい人なのかなと思います。家族ほど心の安らぐ場所はないのに、それすら否定してしまうのだから、よっぽど家族に対して憎悪感かなにかあるのかなと思います。
また皇室を養っているという考えは私は嫌いですね。皇室と国民の間には利害関係などありません。もしそのようなことがあれば私も皇室に対して不信感を抱くかも知れませんが、そんな気持ちはこれっぽっちもないし。皇室を養っているという人は何を根拠に皇室に対して貸しがあるのか聞いてみたいですね。はっきり言って国民側の傲慢という他に言葉が見つかりません。

投稿: かついち | 2006年9月18日 (月) 18時44分

かついちさま
家族に対するイメージって人それぞれですよね。大抵の人は子供の頃に親またはその替わりになる人に育てられたわけで、その時のイメージで、家族と聞いただけで嫌な気分になる人も、家族愛溢れる家に育ったのに鬱陶しく思う人も、個人が一番大事で、家族は戦前の家制度の残滓である、と思う人もいるのでしょう。
家族がいちばん、という考え方に嫌悪感をもたれたら、残念だなあとは思いますが、そういう価値観の異なる方とたまには呑むのは面白いでしょうね。「たまには」ですが…

戦争で皇室は完全に潰れて日本国憲法のお陰で復活したんだ、という人にとっては皇室はお荷物なのでしょう。わずかな額でも、国家予算から皇室にお金が行っているのは事実、その額(一人あたり年間数十円?)のお金を払うのは嫌でしょうね。私は男女共同参画とか行って何兆円も無駄遣いされることのほうがずっと不愉快ですが。
伝統こそが大事なのだという我々とは考え方の根本が異なります。これは我々として譲れない線かと思います。一度失われたら復活不可能に近いですから。
すんません、少し酔ってるので意味不明かも。酔いが醒めたら見直そう…(苦笑)

投稿: 練馬のんべ | 2006年9月18日 (月) 20時01分

私は逆にそういう人と飲むのは気分悪くなるかも・・・(笑)家族のあり方が見直されつつある時代に逆行するような考えをお持ちの方には家族というものの大切さがおわかりになれないんでしょうね。私は絶対一人孤独に死んでいくのはイヤですからね(笑)
現在遠距離恋愛しているのですが、その彼女とは早く結婚したいと思っているんですけどね・・・。
そもそも皇室がなぜ存在するのかというよりも、皇室がこの国からなくなったら日本はどうなるのかと考える方が簡単なような気がするのですが。

投稿: かついち | 2006年9月18日 (月) 21時02分

かついちさま
まあ、そうかも。家族がいちばん、ですね。ぜひ早く結婚しましょう、祝電くらい打ちますよ(笑)
皇室のない日本…以前もなんかの機会に書きましたが、東夷倭民主主義人民共和国か、アメリカ合衆国極東州か…

投稿: 練馬のんべ | 2006年9月18日 (月) 22時26分

ぴか様、「個人」が尊重される北米でも、基本は「ファミリー」です。

皇室の方々は、国が見捨てたハンセン病患者さん達への基金を設立されて、ご自身達の公費(=生活費)から賄われ、長い年月、手を差し伸べてこられたと読みました。だいぶ前に林真理子さんが感動して書いてました。彼女も絶対男系天皇派です。

私はむしろ、不要な議員数や公務員数の削減や、教師の免許更新制を推し進める方法で、寄生虫退治が必要と思います。

投稿: リカ | 2006年9月19日 (火) 18時55分

追記
前回のコメントにて、ぴかさまは健康上の理由で議論を避けられたことを申し添えます。整理だけにして批判を行っていないのはそのためです。記述を忘れ申し訳ありませんでした。

リカさんもその旨はご了解いただきたく。ごめんなさい。

もっとも、批判的なコメントをしたところで、そこで健康上…というのも、正直、いかがなものか…。従って、整理だけはしておいたわけです。TBも入れていません。

投稿: 練馬のんべ | 2006年9月19日 (火) 20時33分

リカさま
寄生虫退治が先決、というのは大いに賛成!

ハンセン病患者の話、国の対応は本当にひどかった…それに比べ、皇室は光明皇后以来の伝統ですね。(光明皇后を知らない人も多いでしょうが…。)

投稿: 練馬のんべ | 2006年9月19日 (火) 20時38分

大変失礼しました。
確かに「喘息」と書かれてましたね。
ぴか様、お大事に。

投稿: リカ | 2006年9月21日 (木) 18時41分

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お知らせ ( 博士の独り言 ) 2006-09-19 20:28:04  みなさんには絶大なるご支援を有難うございます。私儀、身に危険が次第に迫っておりまして、ここ数日、何時最後になっても悔いの残らない記事を思い、書かせていただいております。辛口のエントリーになりましたが、ご容赦ください。 以上のような博士ご自身のコメントが今日のエントリーにアップされています。 もし、言論にたいするテロが行われようとしているなら、由々しき事態です。 博士支持の声を上げましょう。 現実的な保護を与える立場の方は、ぜひ... [続きを読む]

受信: 2006年9月19日 (火) 23時35分

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