出生率の目標値設定?
『出生率の目標値「1・40」新設、年金の信頼回復狙い』(産経新聞)
産めよ増やせよ、みたいですね。悪いことでもない。でも…
『目標を達成するために、どんな少子化対策がどの程度必要になるかを分析し、2007年度の少子化対策関連予算に反映させる。』
これ、怪しい話。厚生労働省の考える少子化対策は往々にして奥さん働け・子育て外注対策。
既に何度もカテゴリー少子化についてにて議論していますが、大切なのは子育て外注化ではなく、子育てに専念できる環境作り。子育てに専念したいがやむを得ず外で働かざるえない女性を安心して家で子育てに専念できるようにする対策、家にいて孤立しがちな専業主婦を応援する対策が大切です。
もちろん、どうしても働きたい女性を引き留めよう、などとは考えていませんので、その場合外注を極力しないでいいように次善の策は「おばあちゃん子」促進策。福井の例もあります。
一般論として、団塊世代、またその上の世代は、くたびれ気味の30~40代よりずっと元気。引退したところでエネルギーが余るだけ。「♪学生運動へも時々出かけた」人たちが「就職が決まって髪を切って…」いたところ、「退職が決まって髪を伸ばし…」で「反日運動へも毎日でかける」などとなったら社会の迷惑です。エネルギーのはけ口に孫育てなどいかがでしょう。…もっとも、孫ゼロ化と言われる時代、孫がいないから反日運動に精を出そう、などという人もいるかも…
『出生率が目標値まで回復すれば、現在の年金制度が想定する給付と負担の水準が維持できることから、年金制度の信頼性の確保につなげる狙いもある。』
年金制度について出生率が大事でないとは言いませんが、いくら出生率が上がろうとその人たちがちゃんと払わなければ何にも成らない、ということはご存じなんですよねえ。年金加入率を上げる対策を打つ…社会保険庁だけではなく、厚生労働省の解体が一番か?…ほうが大切です。
ついでにもう一言。
『社人研は年内に、新たな出生率の推計を公表する方針だが、少子化傾向に歯止めがかかっていないため、標準の中位推計は目標値の1・40を大きく下回るのは確実だ。』
中位推計ですら当たったことは殆どなく、常に下位推計の値になるのはご存じの通り。今後の政策は下位推計を元に行うべきですね。中位推計を使うのは、役人が自分の任期中にさえぼろが発覚しなければいい、という発想だけですから。
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コメント
少子化について一言。
私はまだ結婚していませんし、子育てがどれだけ大変なものか実感がありませんが、知り合いや同級生などの話を聞いていると何だか悲観してしまいます。これから結婚し子供を産み育てたいのですが、これから税金も高くなる、教育費もかかる、これでは子供一人産めば十分と考えるのも無理はないですね。出生率の数値とか数字ばかりを追っかけていないで具体的な施策をじゃんじゃん出してほしいんですが・・・。
投稿: かついち | 2006年9月25日 (月) 08時12分
かついちさま
子育てには確かにお金がかかる。
大変だけど、面白いですよ。なんとかなるものです。
親が成長しますし、子供なみにわかくなる。
子育てについてのマイナスイメージや不安感を払拭すれば、それだけでだいぶ少子化に歯止めをかけることができるかもしれません
投稿: 練馬のんべ | 2006年9月25日 (月) 14時25分
少子化対策には大家族の復活が一番ですね。
姑と暮らしたくない、なんていう我侭は教育の問題だろうし、何年かかるかわかりませんが・・・。違うかな?
投稿: とよあしはら | 2006年9月25日 (月) 16時07分
とよあしはらさま
そうですねえ。福井の例を見てもその通りと思います。働くことに生き甲斐を感じる女性も、孤立しがちな専業主婦も。ただ、前者は自立志向が強い傾向があるので難しいのでしょうかねえ…
投稿: 練馬のんべ | 2006年9月25日 (月) 19時54分
>大切なのは子育て外注化ではなく、子育てに専念できる環境作り。
大賛成です。これまでの少子化対策案には「子供がどう育つか」という視点が全く抜け落ちています。また働いて税金を納める人がえらいという発想では、どんどん拝金主義が強くなるばかりです。
関連記事をTBさせてもらいますね。
それから、リンクさせてもらおうと思うのですが、もしもご都合が悪ければお知らせください。お手数おかけしてすみません。
投稿: milesta | 2006年10月10日 (火) 10時11分
milestaさま
TB・コメント有り難うございます。
少子化対策についてはまずは高市大臣のお手並み拝見ですね。
リンクありがとうございます、光栄です。milestaさんのブログは私もよく読んでいますので、こちらでもリンクしたいと思います、ご了承を。
投稿: 練馬のんべ | 2006年10月10日 (火) 19時27分