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2006年9月12日 (火)

男系はシナや朝鮮の伝統?

昨日書いた記事の最後の部分について続きを書きます。

--昨日の記事-----------
「諸君」に誰かが「日本は養子を取る伝統がある国で、シナや朝鮮は男系以外認めない国。男系にこだわるのはシナや朝鮮の伝統である」という趣旨の論文を載せていました。面白いですね。確かに商家なら有能な番頭を婿にして継がせることは普通だし、大名でもお家大事、跡継ぎがなければ末期養子を取ることもありました。なるほど、これも日本の伝統ですね。長くなったので次の機会に論じます。
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まず、男系を堅守したのは天皇家だけかどうかを考えます。


武家の頭領の幕府
鎌倉幕府の源氏政権は、源頼朝、義家、実朝で途絶えました。執権の北条氏は実権を奪うためお飾りの宮将軍を迎えました。もちろん北条氏は男系で継いでいます。
次は足利幕府。これも初代尊氏から15代義昭まで男系です。
最後に徳川幕府。男系を絶やさないために御三家・御三卿が設けられたのも宮家と同じく血のバックアップです。4代家綱の危篤にあたり、酒井忠清が有栖川宮家から宮将軍を迎えようとしたが徳川光圀らの反対でできなかったなど、やはり男系維持は当たり前です。このように、幕府は男系が途絶えたら終わりでした。

公家側頂点の藤原氏
鎌足以降、平安時代までは間違いなく男系相続。五摂家になって以降も、多分男系で継いでいるのでしょう。(系図を全部みたわけではないので自信なし…詳しい人に聞きたいです)

以上のように、最高権力者はどこも男系です。最高権力者の由縁には血も必要だったのです。

一般の大名や商家はなぜ養子が一般的だったのでしょうか。要するにいつ潰れるかわからない組織で、家来や使用人側の事情です。
つまり、馬鹿殿率いる大名は幕府により取り潰しに遭い、家来は浪人になる、つまり失業します。それを防ぐためには馬鹿殿は引退させられ、養子を迎えることになる。商家も商売下手なら潰れます。主人はまず家業大事ですので(でないと使用人に見放される)、与太郎は排除して養子を取ります。

商家にせよ大名にせよ、家来や使用人側の事情により、血や伝統より組織防衛が優先されたわけです。

つまり、「日本の伝統は養子」というのは物の半面しか見ていないということです。


さて、天皇家についてはどうなのか。正当な日本の祭祀王は天皇だけです。他には存在しません。代替可能な権力者、一般人、さらにシナ王朝や朝鮮王朝と比べて天皇家はどうこう、などという
議論は成立し得ないのです。
従って、皇室典範を議論する上で拠って立つべきところは、結局のところ、万世一系125代の伝統のみです。

以下、蛇足。井上前判事に怒られるのは覚悟…。
最高権力者の由縁が血だったのは昔の話、現代の日本は民主主義、由縁は国民。同様に、憲法上も日本国民統合の象徴が天皇で伝統のことは「皇位は、世襲」としか言ってないよ、という意見もあるかも知れません。

しかし、憲法があまりに唯物論的に偏っているのが問題なのです。何度も書いて飽きられていると思いますが、天皇は祭祀王。神聖不可侵であり、そして、原則として政治的無能力です。(政府が機能しなくなったときの最後の砦ではありますが…)

民主主義とは政治の原則。祭祀の問題はいつも書くように民主主義にはなじまない問題。シナや朝鮮にはない万世一系125代の伝統が最重要です。実にわかりやすい話です。何度でも書きますが、万世一系125代の伝統を崩してはなりません。


こちらに続きます。

9/12夜追記
諸君10月号に酒井信彦氏(元東大教授)が書かれた記事でした。
表題「女系天皇こそ日本文明に適う」
副題「男系絶対主義の主張はシナ・朝鮮の日本蔑視の論理を肯定することになりかねない。何故か?」
というものです。
シナの男系は厳密・純粋なのに対し、日本の皇室は女性天皇がいる、皇族出身の皇后多く、古代には近親婚も多い、これは男系絶対視からみれば明らかに劣る、というような記述があります。この、劣る、というのはシナの論理に過ぎず、文化・文明の差である、とも記述もあります。だから男系絶対主義はシナ・朝鮮の日本蔑視の思想と重なる。にこだわるな、ということ、らしい。今の日本は民族精神を抜かれた馬鹿と罵倒し、そんな状態では女系・女性天皇でも一向にかまわない、とにかく男系絶対主義を振りかざすとシナ人・朝鮮人に頭が上がらなくなるなど。日本の男系がシナや朝鮮の男系とは違う、ということがなぜにシナ人の方が偉くなるのか、私にはわからないし、全体的に難解な論文で私の能力では要約もできない(馬鹿と罵られること必至)ので、読みたい方は諸君を買うか立ち読むかして下さい。

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コメント

いつも読ませていただいております。

記紀の原典となったヲシテ文献には、
いわゆる神話でない形で、ご祖先の皇位継承の原則が記されています。

皇統の血筋の「男系男子」であることは、言うまでもないこと。
また、臣や民は御位には就くことが出来ないと厳しく規定されています。

記紀では神話の時代、しかし伝承として文書に記されているというのは、すごいことだと思います。
ちなみに「カミヨ」とは、漢字導入以前の古代ヤマトコトバでは「祖先の世」という意味です。


トラックバックもさせていただきました。

「伝統 古代の治世」
http://julian.way-nifty.com/woshite/2006/01/post_8174.html

投稿: びーちぇ | 2006年9月12日 (火) 12時55分

このヲシテ文献は伝承部分のおおまかな時代の推定も可能です。

今のところ、初代のアマカミ(天皇)から、推定8千年以上昔であろうかと。
神武天皇さまは、
ヒトノヨの1代目であられましたが、初代から数えるならば、
カミノヨ(伝承であった祖先の世)・・・記紀では政治的配慮により、神話に書換えられてしまいました・・・から数えるならば、13代目に当たられます。

実に「皇統の血筋を引く男系男子の即位」は、
少なくとも紀元前6千年からの伝統があるとも言えるのです。

投稿: びーちぇ | 2006年9月12日 (火) 13時06分

びーちぇさま
「伝統 古代の治世」早速読みました。まことに勉強になります。男系男子であることは2666年の伝統と思っていましたが、シナ4000年(何度も王朝交替)をはるかに超える永い伝統なのですね。そして、このことは決して女性蔑視ではなく、女性が非常に尊重される伝統であるのがさらに素晴らしいことですね。

投稿: 練馬のんべ | 2006年9月12日 (火) 18時03分

「諸君」に誰かが「日本は養子を取る伝統がある国で、シナや朝鮮は男系以外認めない国。男系にこだわるのはシナや朝鮮の伝統である」という趣旨の論文を載せていました。
→「正論」は買わないで、立ち読みで済ますことが多いのですが、こんな論文を書いた阿呆がいて、それを掲載する阿呆もいたのですか?
うーむ。オカシイ。

先祖達が「男系維持」を繋いできたからこそ、私は自分のルーツが分かるのだと思います。

投稿: リカ | 2006年9月12日 (火) 18時53分

リカさま
(諸君を雑誌回収箱から出してきて)論文について補記しました。正直、この方の論文は私には理解不能です。何度も読めばわかるのかも知れませんが…

投稿: 練馬のんべ | 2006年9月12日 (火) 20時04分

 どこかにある場所の管理人です。コメントとトラックバックをありがとうございました。

 今後もこういう理解不能な珍説が飛び出してくるでしょうが、そんなものに負けずに日本人としての感情と感性をもっていきましょう。
 黙っていても良いこと何て何もないですから。

 ただ、酒井というお人、仮にも東大で教授をなさったくらいなのですから、

>つまり、「日本の伝統は養子」というのは物の半面しか見ていないということです。<

という練馬のんべさんのおっしゃるような当たり前の事くらい理解していてもらいたいものです。自分に都合の良い事実しか出さないのは、詐欺師と詭弁家の特徴でしょうけれど。
 これでは「元」という字が肩書きに付くのもうなづけるというもの。

 つまらない事でコメント欄を汚してしまいもうしわけありません。それでは失礼します。

投稿: どこかにある場所管理人 | 2006年9月13日 (水) 21時09分

どこかにある場所の管理人さま
ほんと困った人たちですね。われわれは騙されずに頑張っていきましょう。
T大教授にもひどい連中は多いですね。誰とはいいませんが、U野教授とか…

投稿: 練馬のんべ | 2006年9月13日 (水) 22時25分

日本語では、「おじいさん」「おばあさん」「おじさん」「おばさん」「おい」「めい」「いとこ」などの親族の名前に、男系女系の区別はない。英語などのヨーロッパの言語でも、親族の名前に男系女系の区別はない。

しかし、支那語、朝鮮語では、親族の名前は男系と女系とでは別の単語で表わされ、はっきり区別されている。支那朝鮮の人間は、日本人から「この人は私のいとこです」と紹介されると、男系か女系か分からず漠然としていて、道に迷ったような不安感を感じるらしい。

支那朝鮮には、宗族という男系血族集団があり、族譜という家系図を作っている。異性不養という原則があり、子供が女子だけの場合は、日本のように婿養子をとることはなく、娘は嫁に出してしまい、同じ宗族の中の男子を跡継ぎにする。男系死守論者の言い方では、Y染色体を先祖代々守っているわけだ。

日本人にとっては、男系でも女系でも先祖であり子孫である。支那朝鮮では、男系だけが一族の先祖、子孫であり、女系はない。支那朝鮮の人間にとっては、男系がとぎれるのは、一族の滅亡である。

天皇の男系制も、この中国や韓国の制度と同じようなものだろう。古代日本が支那から漢字や仏教など文明を取り入れたときに、天皇の権威付けのために男系制も取り入れたのだろう。

男系死守論者は、「マスコミが女性天皇と女系天皇の違いをはっきりさせず、無知な大衆をだまして間違った方向に進めようとしている」というが、もともと日本の文化というものは、男系と女系の区別がないから、そうなっているのだ。支那朝鮮の人間なら、男系と女系の区別は当然のことで、言われるまでもないことだ。

言語学的にみて、男系女系の区別をしないことこそが日本文明であり、区別するのが支那朝鮮であるのは明らかだ。

投稿: satou_dsaku | 2006年9月15日 (金) 21時56分

satou_dsakuさま
コメント有り難うございます。
面白いご意見ですね。参考になります。
シナ・朝鮮では嫁は家の系譜に入れないし…従って旧姓のまま、夫婦別姓で進んでいる、と言う人もいるやに聞きますが、儒教原理主義による男尊女卑…娘では自分が死んだとき供養してもらえない(供養にならない)。シナ・朝鮮の原理は男系そのものです。
また、シナ語では日本語で言う「いとこ」は8種類でしたか?例えば父親の姉の子、妹の子、兄の子、弟の子、母親の姉の子…という具合に言葉が違うやに聞いています(私はシナ語は一切わからないので伝聞にすぎませんが)。
日本語でもその伝統がかすかにあって叔父、伯父は一応かき分けますが全然意識しませんね。みんな「おじさん」「いとこ」。嫁に出した娘の孫は「そとまご」、婿を迎えた娘の孫は「うちまご」。全然差がない。

反論は、折角ですからそのうちひとつの記事にしてみたいと思います。言語学はあまり知らないので大した記事にはなりませんが…本当は、びーちぇさんから頂いたTB「伝統 古代の治世」を読んで頂くのが一番ですが、私なりの浅はかな考えを出してみるのも面白いかと。今晩は寝ます、おやすみなさい。

投稿: 練馬のんべ | 2006年9月16日 (土) 01時05分

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 始まるだろうな、と思っていたがやっぱり始まった。  我が国の皇統をこの時代で終演させようとする策動が。  「諸君!」10月号に掲載されている酒井信彦の作文にはただただ呆れるばかり。  タイトルが、 『女系天皇こそ日本文明に適う』 とある。  なんでやねん、と思いつつ読んでみて唖然とした。  文面を追う限りでは、「男系継承においてはシナ・朝鮮が優れているのだから、これを強固に主張するのはいずれシナ・朝鮮に付け入る隙を与える」というようなもの。  なんだ、シナ・朝鮮に見くびられるからやめておけ、と... [続きを読む]

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