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2006年3月28日 (火)

さくら

Sakura 桜で心が騒がしくなる季節ですね。花見で大騒ぎなぞ野暮の骨頂、魂は桜に抜かれて遊び、抜け殻が静かに呑むのが粋ってもんでしょう…しかしまあ、野暮も年に一度のことならそれもよし、マナーさえ守ってもらえれば、文句を言うのはそれこそ野暮です。

さくらを詠んだ歌で、
世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし 在原業平
ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ  紀友則
のどちらが佳いか、毎年仲間と言い合いをします。もちろん結論の出ようはずもありません。桜がなければどんなにか春の心は平穏でいられるだろうとか、花が散ることを思うと心静かではいられない、などと言うふりをしていますが、実は桜が潔く散ることへの賛歌でしょう。桜がいつまでも咲いていたら…心は穏やかかも知れませんが、毎日花見で宿酔では肝臓が持ちません…

おまけ。平家琵琶で常に語られる句「桜」を紹介します。
『桜は咲いて七箇日に散るを、名残を惜しみ、天照御神(あまてるおんがみ)に祈り申されければにや、三七日まで名残ありけり。君も賢王にてましませば、神(しん)も神徳を輝かし、花も心ありければ、二十日(※)の齢を保ちけり。』(※平家琵琶では、「久しく齢を保ちけり」と語る)
この現代、まつりごとを行う内閣が皇室典範改悪をしようものなら、いくら天照御神に祈ったところで、花が久しく齢を保つどころか、桜咲かずの天罰が下りかねません。

写真は善福寺公園です。桜だけでないのもまたいいもんです。めでたく再開したボートに乗って桜を見るのも一興。

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